ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

2020-01-01から1年間の記事一覧

シッポを立てろ!

「しっぽをたてろ!」は『ガンバの冒険』の名セリフです。 というわけで アニメや映画の「立つ!」名セリフ! クララが立った!アルプスの少女ハイジ 立てよ国民よ!機動戦士ガンダム 立て!立つんだジョー!あしたのジョー 立つな!寝てろ!ロッキー あくま…

ぞくぞくする映画。

「007 ゴールドフィンガー」は、すっごくゾクゾクします。 敵のボス、ゴールドフィンガーにつかまった007は、大きなテーブルに「大の字」に縛り付けられてしまいます。 そして下のほうからレーザー光線が少しずつ007に迫ってくるんです。 最初に焼…

心に残った言葉たち 小説編

川端康成「たんぽぽ」 「もしその崖で、お父さんの亡霊に呼ばれて、稲子さんがふらふらと崖から海に落ちたら、僕も落ちますよ。それも幸福だと思います。」 「およしになって。久野さん。稲子の父はそんな怨霊にはなっていません、絶対に。」と母は強く打ち…

ストレス対処法

発信型ニュース番組『荻上チキ・Session』で、コーピングについて語られていました。紹介させていただきます。 コーピング さまざまな問題の対処法のことを、臨床心理学では「コーピング」と呼びます。 認知行動療法とかセラピーでは「コーピングのレパート…

姉弟の可愛らしいケンカのお話

弟の秘密 川端康成 猫好きのお姉さんと、犬好きの弟くんはいつも口げんかが絶えません。 姉弟の家では猫を飼っています。犬を飼うと猫とケンカをしてしまうかもしれません。 お姉さんは犬を飼うことに反対なのですが、犬がほしくてたまらない弟くんは、毎日…

深層心理とマンガ

昨日のブログで紹介した、村上春樹さんの言葉 地下1階からは浅い物語しか生まれない。そのさらに下に闇(やみ)の深い部屋があって、そこにこそ本当の人間のドラマがある。 魂に響く物語を紡ぐには、この闇(やみ)に入り、正気で出てこないといけない。 「ドグ…

深層心理と演技

村上春樹さんについて書かれた、毎日新聞の記事が読み応えがありました。紹介させていただきます。 「視点・村上さんの言葉」 最も印象的だったのは「物語」をめぐる言葉だった。人間を2階建ての家にたとえるのが村上さんの持論だ。1階には家族が住んでい…

ちょっと雑学

江戸川乱歩の登場 大正時代、まず純文学の作家たちが「探偵小説」に惹(ひ)きつけられました。 谷崎潤一郎、佐藤春夫、芥川龍之介、宇野浩二らが「探偵小説」を書き、その影響で江戸川乱歩が登場するのです。 探偵小説の流行 江戸川乱歩は、自著「続・幻影城…

伝えることの大切さ【実話】

自分の言いたいことを、しっかり相手に伝えられないと大変なことになってしまう・・・。 そんなことを考えさせられた実話です。 「嘘みたいな本当の話」より 「頭のなかが真っ白になったんです」 そのおばさんの訴えだった。夜間緊急外来は大量の患者でひし…

ポケモンとフランケンの関連性

「劇場版ポケモン『ミュウツーの逆襲』は、小説『フランケンシュタイン』を彷彿(ほうふつ)させます」 生徒から、そのような指摘を受けました。 ちょうどテレビで放送されるタイミングでしたので見てみることにしました。 映画が始まってすぐ、人間の手によっ…

映像が思い浮かぶ文章とは

川端康成の文章は映画的だ、映像が脳裏に浮かんでくる、といわれます。*1 これなんか正にそうですね。 化粧と口紅 川端康成 上野駅。 そこに発車を待っている汽車で、留伊子達のレヴュー団は旅立つのだった。 陸橋の上からは、そのトタン屋根から頭を少し出…

高橋源一郎さん大いに語る

ふつうの小説、近代文学は「かっこいい個人を描く」んです。 能力のある秀(ひい)でた個人、ハムレットやカラマーゾフの兄弟のように。 ようするに「スターシステム」と一緒。大河ドラマになるような人物が主人公になるんです。 小説って夢を見るために読むん…

しあわせの見つけかた

この世界には、たくさんのものがあふれてる、きっとぼくら、王様みたいに幸せだ。 本当に、このとおりですよね。この世界には幸せがあふれています。誰も彼もが幸せになれるくらい、たっぷりと。自分のところにやってきた幸せを受けとめる気もちさえあればい…

アンドロメダ病原体と、はやぶさ2

地球外生物 (未知の細菌) が宇宙探測機を経由して地球を汚染する可能性。 再突入で燃えつきてしまう宇宙機は問題ないとしても、“生きた”帰還のほう——有人飛行や、スクープ衛星のような探測機——は、話がまったくべつである。 この場合は、汚染の危険がきわめ…

サイテーだけど最高に魅力的💗

こんな女に惚れたが最後、男は地獄へ一直線 それが「女であること」の登場人物、さかえという女です。 女であること 川端康成 さかえちゃんとは 年齢は二十歳くらい。美人です。 気を悪くすると三日も四日もなんにもしません。行動は計画性がなく行き当たり…

前歯が3本ない状態で、東京特許許可局に挑戦!

巻島直樹は現在、歯の治療中で、上の前歯が3本なくなっている状態です。新しい歯は近いうちに出来ます。 そこで実験 歯並びと滑舌は関係あるのか? 前歯が3本ないのに東京特許許可局に挑戦してみた 東京特許許可局 シャンソン歌手新春シャンソンショー と…

玉手箱(魂出匣)と浦島伝説

玉手箱を開けた浦島太郎は、なぜおじいさんになってしまったの 毎日新聞コラム「余録」の解釈がおもしろいです。 「玉手箱」を辞書で調べ、その語源の欄を見ると、「タマデバコ(魂出匣)の意か」という古い辞書の説を紹介していた▲ 昔、魂を身の外に出して…

「ドカベン」監督編を読みたかった。

「野球狂の詩」「ドカベン」などで知られる漫画家、水島新司さんが引退されるそうです。 それについて東京新聞のコラム「筆洗」に、こうありました。 「ドカベン」監督編を読みたかった。 たしかに・・・。 【演劇ゲーム】 セリフは同じ「たしかに」でもいろ…

幻想文学と心霊ブーム

大正文学の特色のひとつは、明治期の自然主義文学 (リアリズム小説) と違って幻想文学、今日でいうオカルト・ファンタジー小説への関心が高まったことがあります。 そして川端康成も幻想文学や恋愛怪談を書いているんですね。 それは、このような時代背景が…

登場する前のアクションを考える

あなたの演技が始まるのはいつ? 舞台に出てからでは遅いです。舞台の袖にいる時から、すべては始まっている。「合図をもらったら演技を始めよう」というのではダメ。 舞台に登場する前 (アニメや映画では画面に映っていないとき) 、自分が演じる役の人物は…

芥川龍之介 幻想文学

妙な話 芥川龍之介 千枝子の夫は第一次世界大戦中、地中海方面へ派遣された将校でした。 千枝子は結婚後まだ半年もしないうちに夫と別れてしまい、一週間に一度は必ず来ていた夫の手紙もぱったり来なくなってしまったのです。 ちょうどその時分のこと、千枝…

ヒロインが捨て子だったら…

昭和の少女漫画のイメージ おまえは橋の下でひろわれたんだヨ! きっと私は捨て子だったのよ。本当は王女様にちがいないわ。 昔なつかし少女漫画の王道パターンですが・・・「もしも美しいヒロインが捨て子だったら?」というお話が川端康成の「古都」です。…

いじわるクイズ?

ガリレオが観測した惑星は? ラジオを聴いていたら、こんなクイズが出題されました。 ガリレオ研究家を自称する私にしてみれば、「待ってました」みたいな問題です。 わたしの答えは「木星と土星」 ホントの答えは「土星」でした。 「え、なんで」と一瞬思い…

ロッキー

酒場の常連客が狂喜した理由を考える 「ロッキー (第1作) 」(1976年) の舞台となったフィラデルフィアの街には、画面のいたるところにゴミが散乱していました。 ゴミの収集は行政の仕事です。それが滞(とどこお)っているということは財源不足が考えられます…

おすすめマンガ💗

ここ最近「シウさんのマンガ」にハマってます。 ネットで公開されている「シウさんのマンガ一覧」ツイコミ(仮)は、こちらです。すっごくいいよ。おすすめします。 twicomi.com www1.odn.ne.jp

日常観察とキーワード

今回のブログは、生徒とのZoomレッスンの会話から生まれました。 「日常を観察することで演技がうまくなる」と、よく云われます。どんなことに注意して観察したらいいのでしょう キーワードを持つ たとえば「キー(鍵)」 恋人ができたので合鍵がほしい。…

薔薇の幽霊 と 薔薇の家

少女向けに書かれた川端康成の、心温まる作品を紹介します。 薔薇の幽霊 (昭和二年発表) 山あいの村に一軒だけある借家「薔薇(バラ)の家」には幽霊が出るんです。 でも悪い幽霊ではありません。 心優しい幽霊さんは、薔薇の家に住んでくれた人が気持ちよく暮…

マハゴニーとコロナ禍の現在

「マハゴニー市の興亡」【ブレヒト作】と、コロナ禍の現在の状況がなんとなく似ているような気がするんです。 物語の中盤、お金さえあればなんでも夢がかなう町、マハゴニーに巨大な台風が近づいてきて、人びとは恐れおののきます。 台風を「コロナ」に置き…

読解力アップの入門書

川端康成「学校の花」は、可憐(かれん)で美しい旅芸人の少女、小夜子にほのかな恋心を抱く男の子のお話や、女の子どうしの友情や、血のつながらない母と子の愛と葛藤を描いた、少年少女向けの心温まる作品です。 学校の花 「この間、僕、役者の町廻(まちまわ…

鵜と生産者の姿と、プロレタリア文学

時代の祝福 川端康成 篝火(かがりび)を見て古めかしい抒情詩を歌うようなことは、私達文学者の間では時代後れであるばかりではなく、時代の良心に背くものとされています。 篝火を見るよりも鵜(う)を見よであります。 けなげに早瀬へ潜って鮎(あゆ)を捕える…