ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

読書

読解力アップ

論文と文学・比較分析 語彙の量は「論文」のほうが多い。 したがって「読解力を養うには、文学作品より論文の方がいい」といわれていました。 が、 昨年おこなわれたPISAの調査では、最も読解力が高かったのは「小説や物語」などの文学作品を読んだグル…

櫻の樹の下には

桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている! 梶井基次郎 公園の砂場には地雷が埋まっている! ネコ型地雷 櫻の樹の下には と 桜の森の満開の下 「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている」で始まる、梶井基次郎の「櫻の樹の下には」は、インターネットの…

継続は力なり

プロ野球界の名将、落合博満氏の名言 私は誰に強制されることもなく、好きな野球に自分のペースで触れ、取り組んできた。 そして、プロ入りした瞬間から、野球は自分の仕事だという意識になり、24時間365日を野球で回していく生活になった。 子どもの頃から…

企画立案

目次 シェイクスピア 十二夜<幽霊と戦場> あたりまえをうたがえ 幽霊に、人を呪い殺せる能力が本当にあるのなら、戦争で死んだ兵隊は生きているときよりさらに強力な戦闘能力をもつことになるな。 そこで一本アイデアが浮(う)かんだわ。 西暦2199年、…

前向きに反省!

たくさん視点をもつことでクヨクヨしなくなる 「あなたがケガをしても、わたしは痛くありません」というブラックジョークがあります。 他人の哀しみによりそって、痛みをわかちあえる人間になることが望ましいのは言うまでもありません。 その一方で、自分の…

太宰治の「カチカチ山」

これはすごいぞ!太宰治の「カチカチ山」 人間心理のいろいろを、ものの見事に活写しており、演劇の参考になること間違いありません。 内容の一部を抜粋させていただきます。 カチカチ山の物語に於(お)ける兎(うさぎ)は少女、 そうしてあの惨(みじ)めな敗北…

メルヒェンの残酷性をめぐって

たぬきは、きねを うけとると、 どっすん! どっすん! ちからまかせに つきました。 ちらばった こめを ひろおうと、おばあさんが かがんだところで、 ごずんっ! あたまを ひとうち。 おばあさんは、ころっと しんでしまいました。 たぬきは、おばあさんに…

沈黙と饒舌【ちんもくとじょうぜつ】

【言葉が共通点】オンディーヌと人魚姫 どちらも水の精が主人公の悲しい恋の物語ですが、もう1つ共通点があります。 言葉です。 人魚姫は、人間になる代償として声【言葉】を失います。 言葉を失った人魚姫は、王子さまに自分の想い(恋心)や、王子の命を救…

西の魔女が死んだ

小説はもちろん、アニメや映画には「本当のこと」が紛れ込んでいたりします。 どこまでが歴史的事実で、どこからが作者の創作なのか考えてみることで、成長に役立てましょう。 「まいは、魔女って知っていますか」 「魔女?黒い服を着て、箒(ほうき)に乗った…

生き苦しさからラクになる

劇団「第三舞台」「虚構の劇団」で知られる、作家で演出家の鴻上尚史さんが「世の中」についてわかりやすく解説された本です。 目次 「世間」と「社会」という考え方 「世間」と「社会」具体的には? みんな言ってるよ 外国には「世間」はない 女子高生から…

現代音楽と演技の関連性

声優演技研究所のブログには、【地球温暖化】【人類進化の謎】【戦争反対!】など「演技と関係あるの?」と思える記述がたくさんあります。そこで… 現代音楽の概念とは 現代音楽の定義はいろいろありますが、そのなかの1つに「世の中は音楽であふれている」…

呪いの言葉の解きかた

「嫌なら辞めればいい」これは、典型的な呪いの言葉だ。 すごい人気ですね。わたしは図書館で予約したんですが、3か月くらい待たされちゃいました(笑)。 調べてみたら、他の図書館も予約でいっぱいで、今すっごく注目されてる本みたいです。 演技と関係ある…

あなたが笑えば世界も笑う。その2

【ケーキの味は、その材料の単なる合計を超えたものである】昨日のブログを、もう少し深く掘りさげてみましょう。 【内容】たとえば一番いい例が、ロビンソン・クルーソーの物語だ。難破して離れ島に流れ着いてしまったロビンソン・クルーソーという人が、た…

あなたが笑えば世界も笑う。

人と人との気持ちがつながるのは、「小麦粉がケーキに化ける」みたいなものですね。 どういう意味? 説明するね。 【内容】 社会的ネットワークは、ありとあらゆるものを人から人へ運ぶのである。 流れを決定する基本的要素の一つは、相互に影響し合い、真似…

ウソつき!!!!

太宰作品『晩年』の中の一編、『ロマネスク』【注】 この作品の中に、「嘘の三郎」という男が出てきます。 江戸深川の漢学者の息子として生まれた三郎は、子どものころから事あるごとにウソをつき、それが不思議と、そのまままかり通ります。 長じては、無心…

人類はスケベだから繁栄した?

うすうす気づいていたけど、なんで人類がここまで繁栄したのか。 それはスケベだったからピ――――!!! 最初にことわっときますが この本は、大学の自然人類学のテキスト【東京大学出版会】としてまとめられた本で、決してヘンな本ではありません。 今年にな…

悩みは、2つに分ける!

成長するために うまくいかないな・・・。 その悩み、自分でコントロールできることですか? 今回の元ネタは、こちら うまくいかなくても前が向ける考え方 こうしたい、こうなりたい、など 「改善したいこと」を書きだし、自分でできることと、人や外部の環…

法律そもそも?

なんで法律が生まれたの ホント頭に来ちゃう。先輩ったら、好きキライで贔屓(ひいき)して、きげんの良い悪いで… ちゃんとしたルールがあるといいのにね。 秦の始皇帝(紀元前259年〜210年)の絶大な権力の陰には、忠実な宰相<さいしょう>法治主義を旨とした…

ろばの皮

文学は人の心を映します。 というわけで今回は黒いブンガクをご紹介します。 「赤ずきんちゃん」で知られるペロー童話です。 ろばの皮 むかし、とても仲の良い王様と王妃がいました。 でも王妃様は重い病気になってしまいました。 臨終のとき、王妃は夫の王…

純愛は永遠なのか?

「ローマの休日」アン王女役で有名な、オードリー・ヘプバーンがブロードウェイの舞台で演じ、 騎士ハンス役のメル・ファーラーとの間に愛が芽生え、 ふたりが本当に結ばれたことで知られる「オンディーヌ」のレッスンをやりました。 本当に結婚しちゃうなん…

ゴッホの耳!【模造品】

ゴッホの耳 美術館のインチキ展示品 ゴッホ 耳を切った自画像(頭に包帯をした自画像) ゴッホが自分の耳を切断したエピソードは、あまりにも有名です。 そのゴッホの耳(模造品)を美術館に展示するという「イタズラ」をやった男のお話を紹介します。 今回の…

ヘンゼルとグレーテルと三びきのこぶた

「ヘンゼルとグレーテル」と「三びきのこぶた」 共通テーマは 子すて え?でも、三びきのこぶたは・・・。 近年になって書き換えられた童話と違って、昔から語りつがれてきたイギリス民話「三びきのこぶた」の冒頭は、こうなっています。 むかし、あるところ…

ゆきおんな

ゆきおんな 吹雪の山で遭難した若者(巳之吉)は、その夜、山小屋で雪女と出会います。 「きれいな男だな。殺すのはおしい。命はたすけてやろう。でも今夜おまえが見たことは、だれにも言ってはいけないよ。わたしはおまえが好きになったから、いま、命はとら…

弁天小僧

弁天小僧【歌舞伎】 それにしてもお頭も、よくこんな便利なとこを かくれ宿に見つけたね。 きっかけは利平の旦那だよ。用心棒として雇われて、お頭と意気投合したんだって。 旦那は若いけど、あれでわけありなんだね。なんだかちょっと気になるよね。 でも、…

がらがらどん

三びきのやぎのがらがらどん 美しいばかりが世の中じゃない。 いろんな困難が待ちうけているのが世の中です。 だからこそ、仲間と助けあって知恵を使って生き延びろ! 「三びきのやぎのがらがらどん」は、そういうお話です。 ニュースを聞いてると、10代の自…

ヴードゥーの魔術

「土人の魔術」フレドリック・ブラウン作 デッカー夫妻は離婚問題で論じ合っていました。 絶対に半分です。財産の半分と、お金の半分、それでなくては絶対に承知しません。 ふざけるな! そうかしら。その気になれば、全部いただくことだってできるんですよ…

男はつらいよ、アンデルセン

「マッチ売りの少女」の作者アンデルセンは、旅行が好きで、美人が好きで、 ふられつづけて、生涯独身で、ホテルか下宿住まいで、 我が家はなく、有名になってからも親しい人の家で夕食をごちそうになって、曜日をきめて別な家庭の客になったそうよ。 それっ…

ピグマリオン

本日は、「ピグマリオン」のレッスンを行いました。 「マイ・フェア・レディ」(オードリー・ヘプバーン主演映画)の原作です。 貧しい花売り娘のシンデレラストーリーという内容は映画とほとんど同じです。原作ですから当然なんですが…。 ラストだけは全く違…

ウンディーネ

「やってこなければならなかったのです。それがさだめ、それが掟(おきて)。命を奪うために来ました」 ウンディーネは騎士の顔を両手で挟み、くちづけた。 ウンディーネの眼から涙がこぼれた。体のなかの水をしぼりつくそうとする涙の一滴が、男の眼に入った…

つれづれなる噺

「レ・ミゼラブル」(2012年 イギリス映画)を観て感動した生徒が、 「じゃあ原作はどうなんだろう?」と原作本を読んでみて さらに、「他の年代に作られた映画はどうなんだろう?」と、4本のレ・ミゼラブルを見比べたんだって。 すごいですね。 「比べる」…