ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

ホーキングと黒澤明「生きる」

死刑判決を受けても執行されるまではやるべきことはいくらでもある。
車いすの天才科学者ホーキング博士について書かれた東京新聞のコラムを読んで、黒澤明監督の 「生きる」 を思い出しました。

◇ ◇ ◇

<ここから>

【筆洗】

 二十一歳のとき、自分でもいらだたしいほど動きが鈍く、ぎこちなくなった。階段から落ちて病院に行ったが、医者にこう言われた。「ビールを飲み過ぎないことだ」▼

そうではなかった。亡くなった宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士の発病当時である。体の自由を奪われる筋萎縮性側索硬化症だった▼

診断になぜ自分がこんな目に遭うのか、ひどい不公平だと感じたそうだ。当然である。研究を続けても長くは生きられない。そう思うと集中もできなかったそうだ▼

考えが変わった。入院中、向かいのベッドにいた白血病の少年が亡くなる。世の中には自分より気の毒な人がいる。死刑判決を受けても執行されるまではやるべきことはいくらでもある。 「どのみち、死ぬさだめならば、多少は善いことをしたい」。そこから生まれて初めてというほど研究に打ち込んだそうだ▼

障がい者にこうエールを送り続けた。「自分の欠陥に邪魔されない仕事に打ち込めばいい。できないことを悔やむには及ばない」▼

子どもの時、学校では、真ん中より上の成績をとったことがない。むらっ気で学習態度も悪い。少年の将来をめぐって、仲間たちはキャンディーで賭けをした。「どうせあいつはろくなものにならない」。大量のキャンディーをせしめたことだろう。独創的な宇宙論と苦難にどう生きるかを教えた功績によって。

<ここまで>

◇ ◇ ◇



胃がんで余命半年と診断された市役所の課長が、自分の好きなことに打ち込む姿を描いた映画、黒澤明監督の「生きる」

ここから先はネタバレもふくむけど

主人公は、「死ぬんだったら楽しいことがしたい」 と、お酒や夜の遊びに手を伸ばすの。だけど全然楽しくない。

やがて 「自分は仕事人間だ、仕事に打ち込んでいる時が一番楽しい」 ことに気がつくんですね。

そう。
そして主人公の目標は、あくまで 「自分の好きなことをやる」 ことで、他人から褒められることではなかったの。


それは、さんざん嫌がらせを受けながら公園づくりにまい進したことで分かりますね。


好きなことに一生懸命になった結果、ほんの少しでも世の中が良くなったらいいよね、それが「生きる」に託した黒澤明監督からのメッセージかな。


主人公の気持ちを知って 「自分たちも頑張ろう」 と周りの人たちも張り切ったのに、長続きしなかったのが残念でしたね。ラストが寂しかったのが印象に残っています。


それは寂しいんじゃなくて「課長さんがすごい」ってことだと思うよ。






こうなっちゃうのがふつうだもん。

だからこそ、困難や嫌がらせを乗り越えてやりとげた主人公はすごいと思うんだ。


簡単そうに見えて、なかなか出来ることじゃないよね、というのが「生きる」の解釈かな。

「私たちも!」と思っても、難しい。それをやったホーキング博士はすごいですね。

難しいけど、0.000000…1ミリでもいいから近づきたいね。


【新入生募集中!】

18歳以上
年齢制限・入所試験なし。

無料体験入学 & レッスン見学受付中!〜
Voice actor laboratory 声優演技研究所