ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

脚本にとらわれず、アイデアを付け足し、ふくらませる

アドラーのメソッド演技を読んで、印象に残ったエピソードを紹介させていただきます。


脚本にとらわれないために

社会的な状況を把握すること。それが、脚本に書かれている言葉にとらわれないための第一ステップです。

脚本を読めばプロットがわかる。プロットがわかれば、その中からひとつ二つ、面白い点が見えてくる。刺激を受けたり、ひらめいたりする。

でも、書かれた言葉に縛られないでほしいんです。
言葉を読むだけだと、ありきたりなタイプ判断にとどまってしまう危険がある。
この人物を形づくっている社会を考え、人物の過去やプロットの背景を創造して下さい。

人間を社会状況から切り離せば、違う人になります。自分が誰かもわからなくなるでしょう。あなたも、この人物の演じ方を見失うでしょうね。なにしろ背景が真っ白なのですから。

だからどこの国のどんな時代で、政治的な背景はどうなっている、ということを知らなくちゃいけない。

俳優になりたいんでしょう?だったら一生、勉強です。もしあなたが登場する劇を書く人がいたら、その劇の社会的状況はあなた自身が今生きている状況です。

また、作家が伝えようとしているアイデアに、普遍的で壮大なサイズを与えるのもあなたの仕事。

メッセージの大きさを伝えてください。日常のなにげない光景を表現する時も。

たとえば風に吹かれて転がるボールを少年が追いかけているとする。少年は風に追いつこうとしている、自然とたわむれている、そして自然は人間より力を持っている。

そういうアイデアを付け足して、大きくふくらませて下さい。

演劇は常に大きなテーマに向かおうとする。それを逆に、小さいものに向かわせないでね。

近代の演劇は人生への問いかけ。人間は何をするべきか、どのように生きるべきかを問うものです。だからあなたも、普遍的な疑問について考える訓練をして下さい。

愛についての疑問。忠誠、友情についての疑問。家族や子どもについての疑問。ずっと昔からある疑問に、サイズを与える習慣をつけましょう。

こうしたアイデアを言葉にし、伝えることができるようになって下さい。


映画脚本家 笠原和夫さんの考え方と相通じるものがありますね。

秘伝 シナリオ骨法十箇条 と メソッド演技の共通点!
http://stanislavskii.tabigeinin.com/koppo.htm

参考文献
魂の演技レッスン22 輝く俳優になりなさい! フィルムアート社



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