棒ゼリフで、表現が豊かになる?
なぜ劇団は、棒ゼリフの練習を取り入れたのでしょうか
それはセリフの裏を見抜くため。文章のすき間を読み解くため。
サンフォード・マイズナーのメソッド演技から引用させていただきます。
<ここから>
「この練習【棒ゼリフ】は、とても難しいと思います」
「難しい?なぜだ?」
「私たちは言葉を言い方と合わせて覚えます。『やあ、こんにちわ』というふうにです。もし言い方をすべて取り除くと、私たちは足場をなくしてしまいます。」
「そうだ。君が機械的に、また解釈なしに文章を完全に捉えるまではだ。」
「しかし、私たちはみな感情を使って記憶し、言葉に ある重要性を持たせます。だから、覚えることができるのです。だから、記憶するときは ある抑揚が伴うのが普通です。」
「それは耳の中に残っている抑揚だろう。このようにやること【棒ゼリフ】で、それを取り除くことができる。それは君にとって、どんな価値があるだろう。」
「ええ、あらかじめ獲得している感情の結びつきを取り除くことができます。そして、いったんこのように文章を覚えてしまえば、感情はパートナーが与えてくれるものから出てきます。」
<ここまで>
解説すると、こういう意味です。
最初から感情を使ってセリフを覚えてしまうと、セリフの意味が固定されてしまう。「バカ」なら「罵倒・侮蔑」みたいに。
バカの意味は無数にあります。恋人同士なら「きれいだよ」⇒「・・・ばか (照れ・うれしい) 」
恋人未満だったら、好きな人が優柔不断で告白してくれないことがじれったくて 「もう、ばかばかばか」 とか。
だから感情をぬいて覚える。そうすればセリフのウラも読み取れる。読解力が身について表現も豊かになるわけですね。
みなさん、応援してます。
参考文献
「サンフォード・マイズナー・オン・アクティング ネイバーフッド・プレイハウス演劇学校の1年間」 而立書房
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