ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

三文オペラ

海賊の花嫁ジェニー三文オペラ劇中歌】

1.ご覧の通り あたしは しがないホテル酒場の皿洗い

客がチップをくれれば、頭を下げる
でも、お客は 汚い私が
どこの誰か知らない どこの誰か知らない
ある晩 波止場で叫ぶ声

みんなあわてて騒ぎ出す
でも 私だけは笑ってる

みんななぜか聞くでしょう
港の波止場に
海賊船が着いたのさ

2.みな私に皿を洗わせて 小銭をくれるわ

くれた金はもらってベッドの支度
でも今夜は寝られる客はいない
誰も知らない あたしの正体を

ある晩 波止場に轟きわたる
響きに皆驚くわ

でも私だけはわらってる
みんななぜか聞くでしょう
港の波止場で
海賊船が砲撃開始

3.みんなはもう笑えないわ

町中の壁が崩れ落ち
町はぺしゃんこ焼け野原
でもぼろホテルが一軒残る

なぜ焼け残った 誰が住んでたんだ
翌朝そこの戸口から
あらわれるのはこのわたし

これでみんなももう分かっただろう
港の船の
マストに旗が揚がるのよ。

4.それから百人の海賊が上陸して街を廻り
どの家からも一人ずつ縛り上げ
わたしの前に引き出して

どいつを殺すか聞くわ どいつを殺すか
この日は港はヒッソリしてるわ
誰を殺るか そこで私が言うの

「みんなよ!」

「そして首が転がるたびに言ってやるの」

「ストン!」
港の船は
私を乗せて消えていくわ


この歌から思い浮かぶのは、アンデルセンの「みにくいアヒルの子」と「裸の大将」山下清ですね。

みんなから馬鹿にされていた放浪の天才画家・山下清が、有名な画家だとわかった時には山下清はすでに旅に出たあと。

人びとは大あわてで「先生さま〜」と捜しますが、

もうどこにも見当たらない、といったストーリーです。

もうひとつは「水戸黄門

身分を隠して、城下町の宿にいた天下の副将軍水戸光圀が、物語のクライマックスで正体を明かすと、みんなビックリして土下座するお話です。

その三つよりも「三文オペラ」の劇中歌は過激ですね。馬鹿にしていた人はみんな殺されますから(笑)。

現実的に考えると不謹慎だなと思います。

だけど現実とお芝居の違いを十分わかったうえでフィクションを楽しむのはアリだと思います。

今日は、この「海賊の花嫁ジェニー」を朗読するレッスンをやったんですが、なんかスッキリしました。楽しかったです。

そのほかには、以前もうひとつうまくいかなかった「ガリレイの生涯」の一場面もやりました。

努力のかいがありましたね、以前よりずっと成長してました。うれしかったです。

それでは、また来週。

参考文献
三文オペラ 光文社古典新訳文庫
ブレヒト戯曲全集 第2巻「三文オペラ未来社


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