科学的研究を批判的に。その2
「演技は8つ考えろ」と言われます。
そのために必要なのは、「いろいろな問いかけ」です。さまざまな角度から物事を見るチカラです。
「認知や行動に性差はあるのか」に、その参考になるであろうエピソードが書かれていましたので紹介させていただきます。
子どもたちに
「男の子は、女の子より行儀が悪い」と言われていますが、本当かどうか?確かめてみましょう。
「どうすればいいと思う?」と、尋ねた研究レポートがあります。
子どもたちは、
「男の子と女の子のきょうだいがいる家に行こう。晩ご飯を食べているとき、行儀が悪かったらそのたびに印をつけてみよう」と答えました。
そこで研究者は、
「もし、男の子が8回、女の子が5回、行儀の悪いことをしたとするね。男の子のほうが女の子より行儀が悪いと証明したことになるかな」と尋ねました。
子どもたちの多くが、最初は「証明したことになる」と言ったのですが、
やがて口を閉じ、首をかしげ「違うかも」と口にしはじめました。
子どもたちは自分たちの研究計画について、きわめて高度な批判を思いついたのです。
1.男の子が女の子より行儀が悪いのは、観察した家庭だけかもしれない。
2.晩ご飯のときだけかもしれない。
3.観察している人がいる所では、2人のどちらか、もしかしたら2人ともが行動を変えるかもしれない。
4.さらに、8が5より「そんなに」大きい数なのかどうかまで話し始め、
5.やがて統計的な疑問にも踏み込んでいったのです。
考えかたを増やして、台本の読み解きに応用し、演技の引き出しを増やしましょう。
それにしても、この子どもたち、頭よすぎ…。
参考文献
認知や行動に性差はあるのか
科学的研究を批判的に読み解く 北大路書房
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Voice actor laboratory 声優演技研究所