ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。いろんなことを知って演技に役立てましょう。実技も知識もどっちも大切!ぜひ、どうぞ。❤

ろばの皮

文学は人の心を映します。

というわけで今回は黒いブンガクをご紹介します。
赤ずきんちゃん」で知られるペロー童話です。

ろばの皮

むかし、とても仲の良い王様と王妃がいました。

でも王妃様は重い病気になってしまいました。

臨終のとき、王妃は夫の王にいいました。

「ひとつだけお願いがあります。もし、再婚したいとお思いになったら…」

「ああ、そんな心配は無用だ。そんなことは決して考えない」

「その通りだと信じます。でも、わたしよりも美しく、賢い女に会われたら、結婚してもかまいません」


なんで王妃様がそう言ったかというと「自分よりも美人で頭のいい女なんているハズがない」と思っていたから。

ウラを返せばこの約束は「再婚しないでね」という意味なんです。


そうなの?

ちゃんと原作にそう書いてありますよ。 あ、ホントだ。


夫の腕に抱かれて王妃はなくなり、夜となく昼となく王の泣くのを聞いて、みな思いました。

お悲しみもそれほど長くはつづくまい、と。

みなの予想は、はずれませんでした。

案の定、数か月後には、王は新しい王妃様を選ぼうと思いはじめました。


ウソでしょ・・・。

ちゃんと原作に書いてありますよ。  あ、ホントだ。


でも誓いは守らねばなりません。

美人の多い宮廷も、田舎も、町も、まわりの王国にも、亡くなった王妃より美しい女性はいませんでした。

じゃあ王様は再婚できなかったの。

ところがいたんです。亡くなった王妃様そっくりで若くて美しい

 自分の娘    マジ

    王女さま

困った王女は、もの知りの仙女に相談します。

王さまに無理難題を願いなさい。ものすごく豪華な空の色をしたドレス、月の輝きをしたドレス、そしてもっと輝かしい太陽のドレスをください、と。この約束を果たすことはできますまい。

王さまはこの願いをあっさりクリアしました。

あきらめてはなりません。王様の大切なろばの皮をおねだりなさい。

王さまのろばは金貨を毎朝ひねり出す不思議なろばで、王さまの全財産なのです。さすがにこのろばは殺せないだろうと仙女は考えたのです。

ろばの皮が運ばれてきたとき、王女はひどくおびえました。

・・・・だろうね。

王女はお城から逃げ出しました。

いやあああああ

ああああぁぁぁ・・・・・


あたりまえです。

王女は遠く、遠く、ずっと遠くまで行って
ろばの皮をかぶって変装して農家の下女として住み込みました。

この土地には、しばしばこの国の王子が立ち寄り

「ろばの皮」をかぶった王女は遠くから愛をこめて王子を眺め「なんて魅力のあるお方」と思いました。

ある日のこと、王子がたまたま「ろばの皮」のつましいすみかの鍵穴に目をあててみます。

そのとき「ろばの皮」は豪華な飾りをつけ、すばらしいドレスを着ていました。

王子さまは夢中になって、むさぼるようにお姫様の姿をながめ、

三回ばかり、王子さまは戸を押し破ってやろうと思いましたが、

目の前にいるのは女神かもしれないと考えて、その都度、尊敬の気持ちから手をひきました。

王子さまは宮廷にもどると閉じこもって物思いに沈み、夜となく昼となく恋のため息をつくのでした。

王子さまとろばの皮は結婚できるのでしょうか。

ちなみに

王子が扉に近づいて鍵穴から眺めた時、「ろばの皮」が気づいていた、と確信しています。

こういう点にかけては女性はまことに機敏

目の動きもす早いので、見たことを気づかれずに、女性を見ることなど一瞬たりともできません。


あの・・・それって・・・

ちゃんと原作に書いてありますよ。   あ、ホントだ。


以上、ペロー童話「ろばの皮」でした。



王子さま、どうかなされましたか

・・・なんでもない。

参考文献
完訳ペロー童話集 岩波文庫
長靴をはいた猫 河出文庫



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グリム童話にも「ろばの皮」と同系統のお話「千匹皮」がありますよ。

参考文献
初版グリム童話集 白水社
完訳グリム童話 角川文庫
完訳グリム童話集 岩波文庫