アリストテレス
古代ギリシアの哲学者アリストテレスによれば、良い社会とは「豊かな社会」でも、「犯罪が少ない社会」でもない、そんなことはどうでもいいのだ、と言います。
「良い社会」とは、「徳」のある者たちがあふれる社会のことだ、とアリストテレスはいうのです。
「殺人発生率」についての仮説
社会A⇒人々が「殺してはいけない」と確信するから、殺人発生率が小さい。
社会B⇒監視と処罰が徹底しているから、殺人発生率が小さい。
どちかが「良い社会」なのか。この本の著者、宮台真司さんの仮説では…
アリストテレスに従えば、社会Aが社会Bより殺人発生率が何倍も高かったとしても、「殺してはいけない」と確信する者が多ければ社会Aのほうが良い。
つまり「有徳者(徳のある者)が多い高殺人率の社会」は「有徳者が少ない低殺人率の社会」より良いことになるのです。
これを最初に明言したのがアリストテレスなのです。人殺しが多いか少ないかにかかわらず、人々が良いふるまいをしようと思っている社会こそが「良い社会」です。
人から理解され、肯定され、承認されるという感情的な安全は、自分にとって、そして相手にとって「生命の安全」さえ保障します。
たとえ何かでいきづまっても、当人が周囲から受け入れられていると感じること。「自分は生きていてもいいんだ」と思えること。人が幸福に生きられる社会には、必ずそういった<包摂>があるのです。
「包摂(ほうせつ)」とは、いろいろあってもおたがいに包みこみ、支え合い、簡単には排除しないという意味です。
包摂のない社会では、人は幸せになれません。
他人を幸せにすることで、自分も幸せになる、そういう関係を築いていきましょう。
参考文献
きみがモテれば、社会は変わる。 イーストプレス社
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