希林さんとメソッド演技
映画「エリカ38」で、悪女役を演じた浅田美代子さんのインタビュー記事を、日刊スポーツから抜粋させていただきます。
詐欺(サギ)商法のセールストークにも説得力が出た。
浅田美代子
私自身ずっとこだわってきたのが実は動物愛護のボランティア活動で、雑談をしていてもついつい熱がこもってしまうんです。
樹木希林さんから『詐欺詐欺って思わないで、あの動物愛護の話をするときの美代ちゃんでいい』って言われて、ピンときました。
サギと動物愛護は違うでしょ異なった心理を使ってもいいんですか。
いいんです
今回の元ネタは、こちら
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感情準備
さて、その内面の状態を見つけるよりどころは、そのシーンの必要性と必ずしも関連していない。
十九世紀のイギリスの俳優、ウィリアム・チャールズ・マクレディは、『ベニスの商人』の1シーンを演じる前に、レンガの壁に埋め込まれた鉄の梯子(はしご)をいつも舞台裏で揺すっていた。
彼は何回もやってみたが、少しも動かないので怒ってしまった。そして、それから舞台に出て行って演技をしたんだ。わかるか。」
「あなたのいっている感情準備は、必ずしもシーンと関連しなくていいということですね」レイがいった。「マクレディの場合は、梯子に怒ってから、ラブシーンを演じるために出て行ったのかもしれません。」
「彼は梯子に怒ってから、ラジオ・シティの前で一時間半も女の子に待たされたというシーンを演じるために出て行ったのかもしれない。それは可能だ。私は君たちに『空っぽのまま出てくるな』という前提を話している。いいな。」
サギだと思わないから騙される
希林さんが言いたかったのは
「人を騙(だま)そうとする状況ではなく、熱心に話した状況を使いなさい。それが詐欺師(さぎし)の演技につながるから」だと思います。
白雪姫で説明すると
毒リンゴを売る老婆(ろうば)は、悪者だとわかるように演じちゃダメなんです。なぜなら「白雪姫はバカなの?」になってしまうから。*1
サギ師を演じる時もこれと同じで、詐欺(サギ)に見えないから人は騙(だま)されるんですね。
マイズナーのメソッド演技を紹介したページは、こちら【無料です】
http://www1.odn.ne.jp/seiyukenkyujo/meisner1.htm
参考文献
「サンフォード・マイズナー・オン・アクティング ネイバーフッド・プレイハウス演劇学校の1年間」 而立書房
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Voice actor laboratory 声優演技研究所
*1:
悪者がダメなら、どんなふうに老婆(ろうば)を演じればいいんですか。
あわれでかわいそうに見える老婆(ろうば)、もしくはとても人のよさそうに見える老婆。そうすれば白雪姫が老婆から毒リンゴを買っても、バカなお姫さまにはならないよ。