ブレヒトとスタニスラフスキー
メソッド演技批判
私の大好きなブレヒト(1898-1956)は、スタニスラフスキー(1863-1938)の演技術を検討して、「抹香臭い(まっこうくさい)権威」と呼んでいます。
抹香臭いを調べると「かび臭い、説教じみて、まじめくさった感じ」とあります。
ブレヒトは、有名な古典作品を新しい目【別の視点】で見るための教材として「俳優用練習台本」をつくりました。
密会の成就のために、下男下女たちが酷使される「ロミオとジュリエット」とか、復讐行為に疑問を抱く「ハムレット」などです。
「物語を多角的に見る(演技は8つ考えろ)」といわれますが、それは「主人公(視点)を変えて物語を読み解く」ことで見えてきます。
視点が同じままで、しゃべり方(表現)を変えるんじゃないんですね。ブレヒト演劇を知るとそれがよく分かります。
一方のスタニスラフスキーは、「役になる、役を生きる」演技をメソッド演技としてまとめたことで知られていますね。
なぜブレヒトがスタニスラフスキーを批判したのかを簡単にいうと、芝居や役へのアプローチの方法が【メソッド演技とは違う】からなんです。
それを知ったうえで、私はブレヒトもスタニスラフスキーも、ふたりとも大好きです。それでいいんだと思っていますよ。
参考文献
人と思想 ブレヒト 清水書院
ブレヒト、ゲーテ、アンデルセン 文学の泉【無料】
http://www1.odn.ne.jp/seiyukenkyujo/bungaku.htm
ブレヒト演劇名言集【無料】
http://www1.odn.ne.jp/seiyukenkyujo/bre2.htm
ブレヒト叙事的 劇的演劇対照表【無料】
http://www1.odn.ne.jp/seiyukenkyujo/b.htm
そんな話も交えながら、今日は朗読のレッスンを行いました。
楽しいレッスンが出来ました。それでは、また。
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