ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

読解力の伸ばし方

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【内容】

日本人は「知らない」ことが恥ずかしいことであると思いがちです。知らないことに出会うと、自分に対するプライドから「知ったかぶり」をして、さも知っているかのようなふりをする。それでは「読解力」は身につきません。


ソクラテスが説いていたように、自分の「無知」を知ること。【注】そして自分の知らないことが世の中にはたくさんあることを常に念頭に置いて「なぜ」「どうして」という「?」を見つける名人になれば、今自分がどのようなテキストを読めばよいのか、自然に見つけることができます。さらには、読解力を伸ばし、より充実した生活を送るためにはどのような本を読めばいいのか、ということもわかってくるでしょう。

 


「自分の中に常に複数の考え方を持つこと」

つまり、「もしかしたらこの意見は間違っているのではないか?間違っているとすれば他にどういう考え方があるだろう」とあらゆる場面で想像できるということです。


このような思考スキルを私は「批判的リテラシー」と呼んでいますが、この「批判的リテラシー」こそが、読解力を高める本当の意味での原動力なのです。


たとえば「鳥のように飛びたい」と考えたライト兄弟は、周囲の人たちに「気が狂ったのではないか」と囁かれていました。
当時ライト兄弟の周りにいた人々は、誰も飛ぶための工夫や努力をせずに、無理だと決めつけていました。それこそが「批判的リテラシー」の欠けている典型です。それに対してライト兄弟は「批判的リテラシー」を持っていたのです。


「そんなのは無理だ」という人は、なんの根拠もなく「無理だ」と発言するケースが多いのです。そういう人は「もしかしたらそうじゃないかもしれない」という発想がない。チャレンジするというスピリットを身につけていくためには、通俗や俗説に対して、常に「批判的リテラシー」をもって行動することが大切です。


客観的視点がとぎすまされることで、目の前にある情報を鵜呑みにしない読解が自然にできるようになってきます。


そういう意味で、自分の考えにも「本当にこれで正しいのか。この考えとは別にどういう考え方ができるのか」という疑いの目を向けることができる状態は、多角的視点としては最高レベルの域に達しているといえます。

ここで述べられている「批判的リテラシーは、過去の日記でも紹介した「当たり前をうたがう」ことで、ブレヒト演劇の【異化効果】と同じですね。

今日はこのような話を交えながら「オンディーヌ」と絵本の朗読レッスンを行いました。

今までが涼しかったせいか、今日はもう暑くて暑くてサイテー最悪でした。

家や稽古場にいるときは感じなかったけど、外に出たら「ウソでしょ、なにこれ?」みたいになっちゃいました。

みなさまもお体にはくれぐれもご注意ください。それでは、また来週。

参考文献

読解力を劇的に伸ばす大人の「思考ノート」のつくり方 宝島社



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