【見抜く力】と【読解力】
声優演技研究所では、こんな話も交えながらレッスンを行っています。
見抜く力
この記者はどういうところに読み手を導きたいのかということを意識しながら(新聞)記事を読んでいくと「見抜く力」が養われます。
「見抜く力」はとても大事です。
たとえば社会に出たとき、いろいろな勧誘を受けます。自分の意図する方向に相手を引っ張りこもうとして、上手に話す人がいるのです。
「見抜く力」がないと、相手の意図がわからず、話を聞いているうちにどんどん引きずり込まれて抜け出せなくなってしまうのです。そういう場合、最初に話を聞いた時点で「あれ?これはおかしいな」と思わなくてはいけません。
意図を見抜く力がつけば、簡単にだまされなくなります。
私【この本の著者、齋藤 孝氏】は新聞社からコメントを頼まれることがあります。中には「こんな話したっけ」とびっくりすることがあります。
なぜこんなことが起きるのかというと、記者にはそれぞれ書きたい文章や流れがあります。彼らは自分が言いたいことにうまい具合に乗りそうなコメントを求めてきます。先にそういう意図がある場合、その意図に基づいて、いろいろな材料を配列していくわけです。
ですから読み手のほうも、書かれた記事の意図を見抜く努力は大切です。
大人になるとは、相手の意図を理解することだと思います。新聞を通して、相手の意図を見抜く力を養ってもらいたいと思います。
見抜く力がアップすれば、おのずと声優としての読解力も身につきますね。
今日も楽しいレッスンができました。暑い中ありがとうございました。
それでは、また来週。
参考文献
新聞力できる人はこう読んでいる 筑摩書房
Voice actor laboratory 声優演技研究所