呪いの言葉の解きかた
「嫌なら辞めればいい」これは、典型的な呪いの言葉だ。
すごい人気ですね。わたしは図書館で予約したんですが、3か月くらい待たされちゃいました(笑)。
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演技と関係あるかどうかは、この記事を最後まで読むとわかりますよ。
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長時間労働や不払い残業、パワハラ、セクハラ、無理な納期、無理な要求――そういう問題に声をあげる者に対して、「嫌なら辞めればいい」という言葉が、決まって投げつけられる。
たしかに辞めるという選択肢はある。
けれども、辞めてすぐに次の仕事が見つかるとは限らない。次の仕事が見つからなければ、生活は行き詰まる。次にまともな仕事が見つかるとも限らない。だから、辞めるというのは、そんなに簡単に選択できることではない。
にもかかわらず、「嫌なら辞めればいい」という言葉を投げつけられると、その言葉は増幅されて自分に迫ってくる。
「その仕事を選んだのはおまえだろう。辞めずにいるのも、おまえがそれを選んでいるからだろう。だったら文句を言うなよ。文句を言うくらいなら辞めればいいじゃないか」と。
だが、ひと呼吸おいて考えたい。
「嫌なら辞めればいい」という言葉は、親身なアドバイスではない。親身になって考えてくれる人であれば、あなたが簡単に辞めることができない事情にも目を向けたうえで、言葉をかけてくれるだろう。
では「嫌なら辞めればいい」は、何を目的として発せられる言葉だろうか。
「嫌なら辞めればいい」という言葉は、辞めずに「文句」を言う者に向けられている。他方で、その言葉を投げる者は、長時間労働を強いる者や、残業代を支払わない者、パワハラをおこなう者、セクハラをおこなう者、無理な納期を強(し)いる者、無理な要求をする者などには、目を向けない。そもそもの問題は、そちら側にあるのに。
だから、「嫌なら辞めればいい」という言葉は、働く者を追いつめている側に問題があるとは気づかせずに、「文句」を言う自分の側に問題があるかのように思考の枠組みを縛ることにこそ、ねらいがあるのだ。
不当な働かせかたをしている側に問題があるにもかかわらず、その問題を指摘する者を「文句」を言う者と位置づけ、「嫌なら辞めればいい」と、労働者の側に問題があるかのように責め立てるのだ。
不当な働かせかたという問題の本質を背景に隠し、「なぜ辞めないのか」という問いの中に相手の思考の枠組みを固定化しようとする。「嫌なら辞めればいい」は、そのような「呪いの言葉」だ。
それはつまりは、「文句を言わずに働け」という圧力なのだ。
その不当な扱いにどう対抗できるか。
労働組合に相談する、公的な相談窓口に相談する、弁護士に相談する――そういうことは、発想を変えて初めて浮かんでくる選択肢だ。
その相談から、具体的な状況改善の糸口が見えてくることもある。
「ダンダリン 労働基準監督官」
(
- イヤならやめればいいじゃないか
よく簡単に、そういうことを言う人がいます
あるいは、我慢するか会社を辞めるか、会社員にはその二通りの選択肢しかないとおっしゃるかたもいます
でもそれは、間違いです
本当は、三つ目の選択肢があるんです
それは、言うべきことは言い、自分たちの会社を自分たちの手で、より良いものに変えていくという選択肢です
「嫌なら辞めればいい」ネタはTVドラマで採用されてました。いろんなことに興味をもって自分の成長に役立てましょう。それでは、また。
参考文献
呪いの言葉の解きかた 晶文社
Voice actor laboratory 声優演技研究所