プロの声優になるために
養成所対策
レベルの高いプロダクション付属の声優養成所では【人間の内面が演じられるか】をチェックされます。
「人間の内面」って
心の葛藤(かっとう)です。
「答えの出せない」
「行く末を完全に予見できない」
「しかし今、この時においてはこれが最善の決断だ!」
という人生の選択です。
つまり、心の葛藤が表現できる生徒は「演技がうまい」という評価につながるんですね。
現実においては、誰が見ても最善の手、これしかないという究極の一手は、ほとんど存在しません。
すべての問題にはいくつもの選択肢があり、それにはそれぞれの欠点や問題点があるのが現実であり世の中です。
人間の、ありとあらゆる決断は不完全情報の下で行わざるを得ないという制約があります。
人間は世界を完全に正確に理解して決断することなどできません。
いや、そもそも自分が何を考え、何を欲しているのかさえ、本当のところ理解しているかわからない――そういう生き物が人間なのです。
このような人間が決断を迫られるのですから、その決定が十全(じゅうぜん)なものであるはずはありません。
そのような状況下でも、登場人物たち<特に主人公>は決断を下さなければならない。
これはSFヒーロー映画でも、日常を題材にした人間ドラマでも、どちらも基本的に構造は同じです。
登場人物たちは、困難に直面し戸惑いながらも、決断を迫られる
いわれてみれば、そんな内容の台本を練習させられてた気がする・・・
だからこそ、答えの見えない、日常のいろんなことを観察して、演技に応用していこうね。
今日はこんなことを話しながら朗読のレッスンを行いました。
いいレッスンが出来たと思います。
それでは、また来週。
参考文献
なぜリベラルは敗け続けるのか 集英社インターナショナル
Voice actor laboratory 声優演技研究所