金は、星が爆死するときにできあがる
金【Gold】は星が死ぬときにしか作られません。
金の原子は、一個の星の重力よりも大きなエネルギーがないとできあがらないぐらい強固なものです。
金は星の一生のあいだにできあがるのではなく、星が死ぬときにしか作られないのです。
したがって、SFファンタジーのように人間が人工的に【錬金術】で、金を作ることは不可能なんですね。*1
人工ダイヤモンド
それではダイヤモンドはどうでしょう
つくれます
人工ダイヤモンド(合成ダイヤモンド)は、1950年代から製造され始めました。
ただ最初はほとんどのものが小さく、宝石としてではなく産業用でした。
人工ダイヤモンドは、工業用、レーザー光学、医療品など様々な用途に使用されてきました。
が、
品質は着実に改善され、無色および色付きの宝石品質の人工ダイヤモンドがジュエリーで使用できるようになりました。
そして現在では、天然ダイヤとほとんど見分けがつかないくらいの人工ダイヤ(合成ダイヤ)もあるそうです。
したがいまして結論としては、こうなります。
【架空】鋼の錬金術師
【実在】鋼の人工ダイヤモンド製造業者
人工ダイヤをつくる機械は鉄でできていますから「鋼」です。
ちなみに、合成ルビー、合成エメラルド、合成サファイアなど、市場には他にも合成石があり、宝飾業界では合成石を代替品として使用することは新しいことではないそうですよ。
参考文献
138億年宇宙の旅 早川書房
ネット検索
「人工ダイヤ」― Google検索
Voice actor laboratory 声優演技研究所
こぼれ話
一部の星は死ぬときに、月ぐらいの大きさのダイヤモンドを残していくことがあるんだそうです。
確実にわかっていること
原子はそもそも、遠い昔に死んだ星の中心核で組み立てられました。
地球上で生命が繁栄するのに必要な分子のすべてがつくられるには、わずか六種類の原子があれば十分だそうです。
炭素、水素、窒素、酸素、リン、硫黄(いおう)。
この六種類を総称して、俗にCHNOPS――シュナップス――といいます。(日本では、元素の頭文字の順番を入れ替えて、俗にCHONPS――チョンプス――というんだそうですよ)。
*1:
およそ138億年前には水素とヘリウム、この二つの原子だけで、知られるかぎりのすべての物質のほぼ100パーセントができあがっていたと考えられる。
だが今日(こんにち)では、水素でもヘリウムでもない原子として、窒素や炭素や酸素や銀などの原子がある。ということは、これらはあとになって出てきたものに違いない。
あなたの体に含まれている原子はすべて、かつて恒星の中心部で形成されたものだ。
太陽のような恒星はいつか死んで爆発しなければならない。もしも恒星がそうした終わりを迎えなければ、宇宙には水素とヘリウムしかない。
われわれを構成している物質は、永遠に存続する恒星の内部にずっと押し込められたままだったろう。地球が誕生することもなく、われわれが知っているような生命もはなから存在していない。
われわれは、水素とヘリウムだけでできているのではない。われわれの体にしろ、この地球にしろ、われわれを取り巻くすべてのものは、炭素や酸素など、水素とヘリウム以外の原子も含まれている。
ということは、われわれの太陽は恒星のなかでも第二世代、もしくは第三世代の星であるに違いない。
先に一つか二つの世代の星が爆発していたからこそ、その星屑から太陽がつくられ、地球がつくられ、われわれがつくられたのだ。
太陽の死。
最後の爆発的なエネルギー噴出とともに、太陽が全生涯のあいだに形成してきたすべての原子が宇宙空間にばらまかれ、さらにいくらかの、原子のなかでも格別に重い、金などの原子がつくられる。
金の原子は、一個の星の重力よりも大きなエネルギーがないとできあがらないぐらい強固なものだ。
金は星の一生のあいだにできあがるのではなく、星が爆死するときにできあがる。
われわれの太陽が死ぬときにも、いくばくかの金が生み出されることだろう。
金は希少であり、そうそう採掘されず、星が死ぬときにしか作られないとなれば、これが高価な理由はおのずと知れる。
参考文献
138億年宇宙の旅 早川書房