先生からほめられる読書感想文の書き方
8つの演技とは、台詞の主張したい場所を変えた演技を8つ考えて、抑揚をつけてしゃべる・・・ではありません。
自分とは違う、他人の視点で物語を考えることが大切なのです。
それは「先生から必ず褒(ほ)められる読書感想文の書き方」と同じです。
読書感想文は全体を3つに分ける
1.あらすじ。
2.自分の感想。
そして3つめが肝心
3.原作者はこう考えて物語を書いたのではないか。
もちろん、原作者の考えは「自分の推測」でかまいません。ただ原作者の生きていた時代や国について、くわしく調べて書けば、推測の精度もアップするし、感想文の字数もかせげます。
アンデルセンなら、こんな具合。
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アンデルセンが生きた1805年から1875年は、日本の江戸後期から明治初期にあたります。
このころのヨーロッパは、日本と同じように激動の時代でした。
イギリスで起きた産業革命(18世紀中期)、フランス革命(1789~1799年)、ナポレオン戦争(1803~1815年)などで、各国が大きく変化していた時代でした。
アンデルセンの生まれたデンマークは、このころナポレオン戦争で敗れ、経済危機におちいります。「マッチ売りの少女」は、当時のデンマークの社会状況をあらわしていると言われています。
デンマークの田舎、フュン島のオーデンセで生まれ育ったアンデルセンも、その影響を受けたことは容易に想像できます。
そのような時代に生きたアンデルセンは、この作品にこんなメッセージをこめたのではないかと、私は考えます。<ここから自分の推測を書く>
こんなふうに書けば、原稿用紙の字数も稼げるし、先生も褒めてくれると思います。
演技の話に戻ります。
つまり「演技を8つ考える」とは、いろんな人の立場に立って物語を見つめる【視点を養う】ことだとわたしは考えます。
ほかの視点で考えられるのは・・・
「ファン目線」
アンデルセンのエピソードで考えてみましょう。
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アンデルセンは、童話を発表する前に必ず複数の子どもに読み聞かせて、反応を見たり意見を求めたりしました。
「はだかの王様」の有名なラスト、子どもが「王様は、はだかだ!」と叫ぶシーンは、読み聞かせた子どものアイデアで書き足されたものです。
最初の段階では、観衆の中を王様が行進するだけのストーリーでした。
ひとりよがりにならず、ユーモアを交え「あくまでも子どもの目線で」という姿勢を持ち得たからこそ、人気作家になれたのでしょう。
このように、
1.自分はこう考える。
2.原作者はこう考えるのではないか。
3.ファンはこう考えるのではないか。
4.監督さんはこう考えるのではないか。
5.プロデューサーさんはこう考えるのではないか。
6.自分が演じるとはいえ、自分とは性格の違う役の人物だったら、こう考えるのではないか。
etc.
それが、演技を8つ考えることなんだと思いますよ。
参考文献
おとなになって読むアンデルセン メトロポリタンプレス
Voice actor laboratory 声優演技研究所