声優の演技・基本のキ
呼吸に注意
行動するとき、人は無意識に呼吸を止めています。
たとえば
階段を上るとき、最初の第一歩は無意識に呼吸を止めて「ふんばって」上りはじめます。上りはじめてからの2歩目以降はふつうの呼吸に戻りますが、一歩目は呼吸を止めてるんです。
これは、走りはじめるときの最初の一歩も同じです。
イスから立ち上がるときもそうです。
同じように、床や地面にすわっている姿勢から立ち上がるときは呼吸を止めて立ち上がります。
日常の行動では他にも
高い所にある物を取ろうとして、つま先立ちして手を思いっきり伸ばしているときや、重いものを持ち上げるときもそうです。
寝るときも、ベッドにごろんと寝っ転がってから枕の位置まで体をズリズリ移動させているときなども呼吸を止めています。
心理的に集中するときも呼吸は止まります。
針の穴に糸を通すなど、集中しなければいけない場合は必ずといっていいほど呼吸は止まります。
声優だからこそ意識しよう
そしてお気づきのように、呼吸の演技は声優だからこそ意識する必要があります。
なぜなら俳優などの映りの演技や舞台では、意識しなくても自分の行動にあわせて勝手に呼吸も連動するからです。つまり意識する必要はないんです。
しかし声優の場合は、自分とは違う画面の中のキャラクターに行動をシンクロさせ、またアフレコ以外でも、自分は動いていないのに動いているように聞こえる演技をするため【意識して】呼吸も考える必要があるんですね。
つまり【ナチュラルな演技】とは、「自然なしゃべりかた」+「自然な行動にともなう」⇒「自然な息遣(いきづか)い」と考えることができますね。
以上、声優の演技・基本のキでした。
Voice actor laboratory 声優演技研究所