映画を見てるとバカになる?
映画やドラマなんて、どうせウソでしょ。見るだけムダ。時間のムダ。バカになるだけ。
そういう発言をする人は現実にいます。テレビでそう発言している著名な外国人コメンテーターを見たことがあります。
このコメンテーターは、世界中のニュース番組をチェックしているそうです。そのコメンテーターの自宅には、テレビ受像機が何台もありました。
コメンテーターの発言には「遊んでばかりいるとバカになる」という思いがあるんでしょうね。
だからこそ、演劇や娯楽に現実を混ぜていくことは必要だ、と私は思うのです。
たしかに演劇は娯楽です。しかし娯楽には、物事を伝えるうえでとてもいい面があるんです。
うぜえ。
説教くせぇ。
うるせえんだよ。
本当のことを伝えようとしても、このような反応をされてしまうことはよくあります。
だから昔の人は民話のような娯楽に教訓を混ぜたんです。
「おおかみがきたーーー」とか「赤ずきん」とか、昔の人は【教訓を娯楽に混ぜて】伝えたんです。
娯楽ならば「うぜえ!」という反応にはなりづらいんですね。むしろ喜んで聞いてくれるというメリットすらあるんです。
そういった民話や伝説をもとに、お芝居として演じはじめたのが、演劇のルーツのひとつです。
遊んでばかりいるとバカになる、だからガマンして勉強しよう。
しかし我慢して勉強しなくても教訓を得る方法はあるんじゃないだろうか。
ニュース・演劇・娯楽、いいところを融合して、よりよい社会をめざしましょう。いい世の中に。
警告民話というジャンルが伝承に
たいせつな情報や知識を、民話や伝説にまぜて広めたことで危機意識が共有できて、人類は繁栄したという推測もできそうだな。
ドイツのマリアンヌ・ルンプフによる博士論文「赤ずきん―メルヘンの比較研究」に、【水や森に近づいたりすると危険があるぞということを教える恐怖民話とか警告民話というジャンルが伝承にある。「赤ずきん」は本来その型の話である】と述べられていますね。