あらしのよるに
一巻目「あらしのよるに」
おおかみのガブとやぎのメイの友情を描いた絵本「あらしのよるに」のテーマを、原作者の木村祐一さんが語っています。
外的なものを遮断した二人
相手の姿かたちをすべて見えなくしたら、天敵でも、心が通じ合うことがあり得るだろうか?がテーマである。
初対面の場合、名刺を交換したりする他に、人間は目と耳とすべてで相手を判断する。
この人は自分の母親ぐらいかなとか、どういう経歴の人だろうとか、立場は社会的に自分より上なのか下なのか、信用できるやつなのか、いろんなことを考えながら付き合っていく。
そういう判断の材料がなくて、敵か味方かという情報もなく、ただ声だけというふうにした場合にどうなるか。
「天敵」という地球上で最も相いれない二匹だが、その外的な要素をなくして、声だけにしたら、心は通じ合えるのか、ということである。
参考文献
きむら式 童話のつくり方 講談社現代新書