「考える」と「つめ込む」違い。
「考えることで演技がうまくなるよ」と昨日のレッスンで生徒たちに話しました。
今回は、そんなお話です。
きちんと部屋が整理されていると、脳の思考状態も整理されて勉強がはかどり、成績も良くなるといわれています。
ホントにそうでしょうか。
アインシュタインの研究室は「グチャグチャだった」というエピソードを紹介します。
私が、リスが遊んでいるプリンストン高級研究所への素晴らしい道を楽しみながら歩いているとき、ふと気がつくと、私の前方を、写真で見覚えのあるアインシュタイン先生が、素足にサンダルという気軽な服装で歩いておられる。
私が、「日本からきたヤノです」と自己紹介すると、先生は、とってもやわらかい手で私の手をにぎりながら、「ヤノ君か、この研究所へこられるようになってよかったね」と言いながら、私を先生の研究室へ導いて下さった。
これは、プリンストン高級研究所の創立者フレックスナーが礼をつくして迎え入れたアインシュタイン教授にふさわしい、それは立派な教授室であった。
室(へや)は立派であったが、アインシュタイン教授の室にふさわしくないと言っては失礼かも知れないが、その乱雑ぶりも相当なものであった。
アンダーウッドのような立派な秘書がついていながらお部屋がこのように乱雑なのは、アインシュタインが部屋のなかのものにさわらせないからであろう。
きちんと整理された部屋は気持ちがいいです。
だけど整理整頓された部屋でないと「勉強がはかどりませんよ」という説には疑問がわいてきますね。
人はものごとを考えているようで、実はあまりよく考えていないのかもしれません。
もしかしたら他人の意見をよく考えずに、そのまま鵜呑みにしてしまっているケースはないでしょうか。
それは考えているんじゃありません。つめ込んでいるんです。
他人に言われたことを、自分はよく考えないで、ただ頭に詰め込んでいるだけかも知れません。そして本当は頭につめ込んだだけなのに「考えた」と錯覚しているんだとしたら・・・。
考えることと、つめ込むことはちがう。
演技がうまくなるには、あたりまえだと思っていることをうたがうこと。そのためには、まずいろんなことに気づくこと。応援してます。
参考文献