七人の侍
七人の侍たちが村にやってきたとき、農民たちは扉を固く閉ざし、家に閉じこもってしまいました。
農民たちは侍を信じていなかったのです。
しかし菊千代が「すりこ木棒」をたたくと農民たちは大あわてで「お侍さま~」と家からとび出してきました。
このときの農民たちの行動を深掘りすると、侍を信頼したうえで家から飛び出したのではないと思われます。
他に頼れるものがなかったのです。
農民たちは侍を信じていませんでしたが、いざとなったとき他に頼れるものがなかったので、侍に助けを求めるほか選択肢がなかったのでしょうね。
こういうことって現実にも往々にしてありそうな気がします。
こういった状況を改善するには
1.たよれる指導者の出現
2.他人に頼るのではなく、自分自身が自立する
などが考えられますが
1.指導者が独裁者に変貌してしまうことがある【ブレヒト遺稿:アインシュタインの生涯】
2.小学校のころから先生の指示に従って行動することを教えこまれる現行のシステムでは、かなりハードルが高い
作家の高橋源一郎さんはその著書「答えより問いを探して」の中で
「正解」がどこにあるのかわからない、もしかしたらないかもしれない問題はたくさんあります。
プラグマティズムは、この世界に「絶対に正しい真理」なんてものはない、という考え方です。
「正解はない」といってもいいかもしれません。
正解はない問題を問い続けることが、文学と哲学の仕事です。
と、述べておられました。
いろんな視点で考えることで役への理解が深まり、演技にも深みが出てくるよ。それでは、また。