Wの悲劇
薬師丸本人は、今は『Wの悲劇』が一番気に入ってると言ってるみたいだけど、当時はイヤがってて・・・。こんな、人を裏切って這い上がるような女の子は私は嫌いだと。
「映画脚本家 笠原和夫 昭和の劇」より
「Wの悲劇」の主人公、薬師丸ひろ子演じるところの三田静香は、はっきりいって悪女です。
だけどその悪い女を「いかにも私は悪者です」みたいに演じてないところがすごい。
三田静香の「純粋に演劇を愛している気持ち」と、「才能がもうひとつ足りなくて、いろいろ葛藤してもがいたあげく『こんなことしてはいけない』とわかっていながら、ついついそっちの方向に進んでしまう、 人間だったら誰にもある、とても弱い気持ち」を、とてつもなくピュアで純粋に見えてしまうように演じています。メッチャいいです。
考えてみれば人間は、そんなに単純じゃありません。いろんな気持ちを心に抱えて生きています。
言い換えれば三田静香は、「追いつめられて余裕のなくなった人間の状態」を表しています。心に余裕があるなら、こんなリスクのある選択をあえてするような“バカなこと”をしてしまう人はいないと思います。
追いつめられたとき人はこんな行動をとってしまうのではないか
タレントのマツコ・デラックスさんも「おもしろい」と太鼓判を押した「Wの悲劇」文句なしにおすすめします。