ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

お通夜の晩の不思議な出来事

 

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今回、紹介させていただくのは、お通夜の晩に起きた不思議なお話です。

友達
友達が、急に亡くなった。
以前から肝臓が弱っていた、というのはあとから聞いた話なのだが、ある日急に血を吐いて倒れ、しばらく入院したのちにそのまま帰らぬ人になってしまった。まだ四十代前半だった。

その友達は職人で、自分でつくった物を売る店を夫婦で営んでいた。夫婦とも生まれ育ちはこの土地ではなく、旅行で訪れたこの町が気に入って「ここで商売をしよう」と三年ほど前に移り住んできたのだった。

私と私の夫は、彼らがこの土地に住み始めてから縁あって知り合い、たまに四人で一緒にお酒を飲みに行ったりしていた。

お通夜には、古くからの友人や取引先、遠くから駆けつけてきた親族のみなさんが集まった。

「故人はみんなで楽しく食べて飲むのが好きでした。倒れる前、なぜか急に、自分が死んだらみんなでにぎやかに食べて飲んで送ってほしいと言っていました。だからみなさん、今日はたくさん飲んでいってください」

亡くなった彼の妻がそう言い、その夜はささやかな酒盛りになった。

夫と私も、彼の両親や親族、友人、知人のみなさんと一緒に、彼の棺の前でお酒を飲んだ。私は他の席にお酌に回り、しばらくして気づくと、夫はだいぶ酔いがまわった様子で、その日初対面の、亡くなった彼の取引先の若い人たちを相手に大きな声で話をしていた。

「俺は、自分の仕事には責任と自信を持ってやってきた」
「ここは小さな地方都市だけど、自分がやってきたことは誰にも負けていないと思う」

夫はふだん、そんなふうに人に対して自分の仕事のことを話す人ではないので、不思議な気がした。まだ年若い友人が突然亡くなったショックと、このところいろいろなことが立て込んでいた忙しさで、ふだんと違う酔い方をしているのかもしれない、と思った。

翌朝、夫に「きのうはだいぶ酔っていたみたいだけど、覚えてる?」と聞くと、「いや、それがまったく覚えていない。どうやって帰ってきたのかも思い出せない」と言う。

数日後、亡くなった彼の妻がこう言っていた。

「先日は、いろいろありがとう。お通夜のとき、旦那さん酔っぱらっていたけど、大丈夫だった?あのときの話し方、なんだかうちの夫にそっくりだった。昔からああいうふうに、若い人に、自分の仕事のことを一生懸命話す人だった。あんまりそっくりだったので、ちょっとびっくりしたわ」

私の夫が、そんな口調で話したのは、私が知る限り、そのときだけだ。

「嘘みたいな本当の話」イースト・プレスより

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こんな幽霊(f:id:seiyukenkyujo:20191122020501g:plain)だったらいいですね。なんとなく「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990年)の一場面を思い出しちゃいました。

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