気持ちよく歌うな、役で歌え。
ラジオを聴いていたら、劇団四季の俳優、市村正親さんの金言にめぐり合いましたので紹介させていただきます。
気持ちよく歌うな、役で歌え!
――市村さんが大切にされていることとは?
市村正親
基本的には演技ですからね。朗々(ろうろう)と気持ちよく歌っちゃいけないというかね。気持ちよく歌っちゃうと頭を後ろからたたかれますね。役で歌わなくちゃいけないんだとね。
――役によって、テンションが最高潮にのっている状態でも、ですか?
市村正親
気持ちよく歌っちゃいけないね。たとえば「オペラ座の怪人」で歌ったとしてもね、それはクリスティーヌに対する歌であってね、自分がいい気持ちで歌ってちゃダメなんです。
ただね、気持ちよく歌ってる人って多いんですよ、いろいろ見に行くと。そうすると後ろから頭をたたきたいね。「役で歌えって。おまえ一人で真ん中でいい気持ちで歌ってんな」ってね。
たとえば、相手役にかけて歌うとか、自分の内面にかけて歌うとか、運命にむかって歌うとか、そういうことなんですよ。
――じゃあ、どなたかに教わったとかじゃなくて、ご自身で導かれた道というか…。
市村正親
いや、そのつどつどの演出家ですね。浅利さんだったり、「オペラ座の怪人」ではハロルド・プリンスだったり・・・演出家とやっていくうちに演出家の指導がだんだんそうなっていくんですね。
ファントム【『オペラ座の怪人』の主役 】のオーディションのときも、他の5人のオーディションの方はみんな朗々と歌ったんですね。ぼくは語ったんです。そうしたらプリンスが「きみでいく」。で、決まったんです。やっぱり一流の人は、歌っている俳優の心理はわかるんじゃないかと思ったね。
ミュージカルといえば「劇団四季」です。そこの大御所俳優である市村正親さんの言葉ですから重みがありますね。
情報元
エンタメSaturday【TBSラジオ】