文章の「謎」を読み解こう
登場人物の気持ちを、はっきりと示さずに仄(ほの)めかすのが文学の特徴です。
だからこそ【誤読】読み間違いがおきるんです。
論文と小説は、文章の書き方が違う
化学や物理学の【論文】は「誰が読んでも答えはひとつ」になるよう文章を書かねばなりません。
誤読するようなレポートを書いてはいけないんです。
なぜなら論文の研究データをもとに新しい薬品を開発しようとしても、文章の解釈の違いによって、出来た薬がまったく違うバラバラなものになってしまったら大変だからです。
しかし小説は論文と違って、いろんな意味に解釈できるように文章が書かれているんですね。
小説は基本的に日常の出来事をもとに作品世界を創造します。
日常生活では「好きだ」とはっきり言葉で言わずに、態度などでそれとなく「好き」という気持ちをにおわせたりしますよね。
つまり「曖昧(あいまい)」なんです。日常は論文と違って答えは1つじゃありません。だから誤解が生まれます。
そのような日常の出来事をもとにした小説だからこそ、読む人によって解釈が分かれ、読み間違いもおこるのです。
小説を読み間違えるのは、ある意味あたりまえ。
日常生活で誤解がさけられないのと同じように、小説も誤読はさけられません。
だけど、読み間違いの頻度(ひんど)を「少なくする」ことはできますね。
文章の「」を読み解く。
文章の「謎」を解く。つまり読解力をアップする練習には、論文よりも、文章の意味をいろいろ考えなければならない小説のほうが向いていると思われます。
練習をたくさん積むことで演技の精度はアップします。同じように、本をたくさん読むことで読解力の精度も上がります。
読解力が上がれば、台本に書かれた登場人物の気持ちも分かるようになり、演技も上手になっていきますよ。
いきなり難しい本にチャレンジするのではなく、中高生向けの小説から少しずつレベルアップしていくといいですよ。応援しています。