ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

非色(ひしょく)有吉佐和子

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非色は、敗戦後まもない日本に駐留していた黒人兵と結婚した〝戦争花嫁〟笑子(えみこ)が体験する「人種差別」のお話です。

だけど難しい小説では全然ありません。

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敗戦後すぐの日本の日常や、アメリカに渡った笑子を待ち受けていた、黒人だけでなく白人の間にもあった人種差別が、とてもわかりやすい文章で書かれています。知らなかったことがいっぱいで、すごく勉強になりました。

 

大好きな川端康成とくらべてみる

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「登場人物の気持ちを、はっきりと示さずに仄(ほの)めかすのが文学の特徴」と、昨年11月4日のブログに書きました。

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たしかに川端文学には、そういった傾向がみられます。

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しかし有吉佐和子の文章は、まったく違いました。読みやすくてスイスイ頭に入ってきます。それでいて奥が深いのだからすごいですね。

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そんなわけで「非色」の、心に残った言葉たちを紹介します。

 

非色(ひしょく) 有吉佐和子

青春期の前半は、私は学徒報国隊という腕章を巻いて旋盤工として夢中で過していた。

夜は工員宿舎の一部に泊って、女学生たちはみんなそれぞれの家庭の事情とは関係を断った暮しをしていた。

警戒警報。待避。警戒警報。

戦災で家を失い、敗戦と共に工場に別れを告げた私は、母と妹と都心を離れた焼残りの家の二階一間を借りて暮すようになったが、そのときでも貧乏というものの実感はなかった。東京はまっ赤に灼(や)け爛(ただ)れて、富者や金持と呼ばれる者も一なぎに壊滅してしまったかに見えた。右を見ても左を見ても焼け出された人々ばかりで、おまけにひどい食糧難時代だ。みんなが飢えていた。

近郊の人々は食べ物を担いで出て来ては闇市をつくり、怪しげな饅頭(まんじゅう)握り飯などから売り始めていた。それを買うために、私はどうしても働かなければならなかった。焼けなかった人々は、まだ金に換える何物かを持っていたが、焼け出されの私たちは一文無しというよりもっとひどい状態だったのである。

日本の会社がまだ働き出さないとき、人間を雇ってくれるところは進駐軍関係の仕事しかなかった。

私は有楽町の駅の傍にある進駐軍が暫定的に経営しているキャバレーのクロークになった。日給制だった。一日わけも分らず動いているだけで翌朝の五時には一斉に帰りがけに百円札を渡してくれた。

百円。

私はその紙幣を摑(つか)みしめて飛ぶようにして家に帰ったのを覚えている。

私の母は涙を流しながら、それでその日のうちに一升の闇米を買った。早速炊(た)いた銀めしの目にしみるように白かったことも、立上る湯気の匂いに気が遠くなりそうだったときのことも、私は決して、忘れることはないだろう。

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「トムは私に完全に参ってるのよ。私の云いなりになるわ」

私がトムと結婚しようと云い出したとき、私の母の態度は急変した。

「とんでもないよ、笑子。なんだってそんな気を起したのだい?いけません、そんなこと、母さんが許しません」

私は驚いて狂ったように眼を血走らせている母の顔を見ていた。

大概のことは私は隠しだてなく母に喋っていて、彼が結婚申込みをしたことだって私は話していた。

だから、私が結婚するときめたからといっても、彼女が驚く筈はなかったのだ。ましてこんなに猛然と反対したり私を非難したりするなどとは私は思ってもいなかったのである。

「笑子、あなたのお父さんは立派な人だったんですよ。林家というのは士族です。貧乏こそしていたけれど、誰にも後ろ指を差されるような家柄ではありません。

あんな黒い人と結婚するだなんて!私たちは世間さまに顔向け出来なくなるじゃありませんか。御先祖さまにどうやってお詫(わ)びをするんです?

娘が外国人と、それもアメリカ人ならともかく、あんなまっ黒な人と結婚するなんて!冗談だって母さんは許しません!」

シゾクとかイエガラとかゴセンゾサマなどという突飛な言葉が母の口から出てくるのに私は呆(あき)れていた。どうして急にそんなことを思い出したのか見当がつかなかった。戦前も戦争中も、こんなことを私の母は云ったことがなかった。

「トムはアメリカ人よ。冗談でなく、私たちちゃんと式をあげて結婚するのよ。私はふしだらなことをするんじゃないわ。それに母さんは私がトムと交際しているのを一度だって嫌がったことなかったじゃないの」

「まさか本気だとは思わなかったんだよ」

「じゃ、何がいけないの?確かにトムは二グロだけど、気持の優しいいい人だってことは母さんだって知っているじゃありませんか。結婚するのが何故いけないのよ」

「だって、まさか黒ンぼと・・・」

「トムが私を好きなのは母さんも知ってたじゃありませんか。それでほとんどタダみたいなことでトムの運んで来るものを売って結構に暮していながら、結婚だけはいけないというのは理屈にならないわ」

「理屈で反対してないよ。笑子はあの黒いのに抱かれても嫌じゃないのが、母さんには怖ろしいんですよ。どうして笑子は気味が悪くないのかねえ」

その日私は母に対してトムと結婚すると宣言したのではなかった。私も幾分か迷う気があって云い出したことであった。

だが、この最後の母の言葉が私に決意を強(し)いた。母の言葉に私は強い反撥(はんぱつ)を覚え、そして同時に私はトムとの結婚に踏切ったのであった。

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私はメアリイをつれて、なんでもいいから人の集まるところを歩きまわってみたかったのだ。

私はメアリイに盛装をさせた。レースのベビー帽に、レースの華やかな袖なしのドレス、それに白いソックスと白い革靴。

私もこの素晴らしい娘に負けないだけの盛装をしなければならなかった。

私は肩に布団のようなパットの入った流行のブラウスを着て、新調のロングスカートに栗色のハイヒールをはいて、黒いピカピカのビニールバッグを肩から提(さ)げた。どれもこれも当時の日本の女たちが羨ましがるようなものばかりだったが、私にはPXで格安の値段で買えたのである。

こうして私たち親子は颯爽(さっそう)と外へ出たのであった。

私は軽やかに手をあげてタクシーを止め、新宿へ行くように命じた。女王さまと王女さまを乗せた木炭車は、東京中で一番早く復興した街へ向って踊りながら走り出した。

タクシーから降りた私たちを、人々ははっとした表情で振返り、メアリイを仔細に点検し始めたとき、大きな変化が一時に現われ出た。

「おい、黒ンぼの子だよ」

「ほんとだ、小(ちっ)ちゃくても黒いんだね」

「ゴム人形みたいだ」

「黒ンぼだよ」

「混血児(あいのこ)だろ」

「そうだろうな。しかし黒ンぼだぜ」

「親爺にだけ似たんだろうな、可哀そうに」

「おい、おい、見ろよ。見ろったら」

「黒ンぼの子だ、黒ンぼの子だ」

四方八方から、いや、天からも地からも聞こえてくるこの声から、私はどうやってメアリイを守ったらいいのか分らなかった。

メアリイの顔は恐怖で歪(ゆが)んでいた。

思えば迂闊(うかつ)な親であった。私の母は私が妊娠したときからこのことを懼(おそ)れていたのではないか。みんな、ひどい目を見ないうちに気がついていたのに、私はなんという愚か者だったろう。思い知らされるまで、私は思い知らなかった。

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トムに帰国命令が下ったとき、メアリイは三歳になっていた。

トムは七年前に召集されたニューヨークに戻り、そこで除隊されるのだという。

「帰って、僕の家族を迎える準備をする。一年以内に必ず呼ぶ。いいね」

とトムは繰返し私の肩を抱いて云ったが、私は曖昧(あいまい)な顔をして肯(うなず)いていた。

この私が、生れた日本を離れてアメリカへ行く。それも終生そこで暮すために——などということは私には考えられなかったのだ。

トムの帰国は事実上私たちの離婚だ、と私は考えていた。

なぜなら、結婚式もあげ、子供も産み、幸福に暮していた国際結婚が、軍の帰国命令で実にあっさりと解消されてしまう例を私は既に多く見ていたからである。

戦争中、ボルネオやスマトラへ出かけて行った日本の兵隊たちが、終戦後は現地妻を残して日本へ帰り、涼しい顔をして日本人の女と平穏な結婚生活を営んでいるのも、私たちの周囲では珍しい話ではなかった。

現地妻——アメリカ兵にとって、日本の女がそれではないとどうして云えるだろう。
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これがアメリカなのだろうか、本当に・・・?

ハアレムと呼ばれている区域は125丁目から155丁目までの、東西にまたがる広いところだったが、そこへ一歩踏みこんだ私は、辺りの光景にしばらく呆気(あっけ)にとられていた。

貧民窟!

云ってしまえば、それであった。

絵葉書などで見たニューヨークは、まるでお菓子で作ったような形のいい美しいビルが立並んで、空も青ければ街行く人々はトップモードで身を包み、華やかで豪華な雰囲気が充満した都会のように思われたのに、私のアメリカ第一日に見た総てのものには、その片鱗(へんりん)さえなかったのである。

私達の家は——地下室だった。

何十階建てのビルが並ぶ大都会の中で、誰が地下室に住むことなど予想できただろう。私は胸の潰(つぶ)れるような思いで、階段を降りて行くトムの後に従ったのであった。

正確には半地下室と呼ぶべきかもしれない。それは下半身だけ土に埋った家のようなものであった。

金網を入れてかためたガラス窓が通りに面してついているので、家の中は電気をつけなくても、なんとか鈍い明りが漂っている。鰻(うなぎ)の寝床のように細長い部屋が一つと、その奥に狭いキチンと便所がある——というのが私たちのつまりこれから親子三人が暮して行くアメリカの城なのであった。

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「日本料理店が?」

「ああ、55丁目だってよ」

私はもう矢も楯もたまらない気持で、ホテル・ブルボンの事務室の前に立っていた。いつ開店するのか。ウェイトレスに応募するにはどうしたらいいのか、訊くつもりだった。

レストラン・ナイトオの開店日(オープニング)は素晴らしかった。

私のニグロなまりの英語は、またしてもここでは糾弾(きゅうだん)されることになった。ここは日本を代表する一流の店であることを忘れるなというのが、ナイトオで働く日本人のモットーなのである。そしてニグロの英語は、決して一流のものではないのだった。

それが生活と直接の繋(つな)がりのあるところから私は必死になってニグロなまりを直そうと努力した。

この方の指導は専(もっぱ)ら大学教育を受けた秘書がしていた。彼女に云わせると日本式の発音や下手な英語の方がニグロなまりよりはずっと客の感じをよくさせるということだった。

外国人の使う日本語でも、舌足らずや文法の間違いは愛嬌があって悪くないが、下品な日本語、崩れた日本語、乱暴な日本語がアメリカ人の口から出ると実に嫌なものだと私も経験して知っていたから、これは確かに彼女のいう通りだと納得することができたが、それにしてもそういう野卑な言葉を私は知らず識らずの間に使っているのかと思うと情けなかった。

私のように直そうと思い、少しずつでも直っている者はまだよかったが、竹子は直される度に、すぐ忘れてしまって、たとえばこんな具合の英語を使うのである。

「サシミはまだ出来ないんだ。でも研究してるからな、待ってろよ。うん、スキヤキにするか。二人前か。あとは天ぷらにするか」

これでは秘書嬢が金切り声をあげるのも無理はなかった。

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「あんた、やっぱりそうやったで!」

彼女は眼を輝かしていた。

「志満子の亭主はイタ公や」

「イタリヤ人?」

日本からの船の中で絶えず見下されていたのが、これですっかり溜飲(りゅういん)が下ったと云って、竹子は晴れ晴れとした顔をしていた。

私もそろそろニューヨークを見渡すことができてきていて、白人の社会にも奇妙な人種差別があることに気がついてきていた。

ジョウヨークと呼ばれるくらいユダヤ人の多いところであったが、それでもユダヤ人は陰では指さされているようであった。

アイルランド人も、白人の中では下層階級に多く属しているようであった。

イタリヤ系の白人はなぜか軽んぜられていた。汚物処理車に乗っているのはイタリヤ人が多かったし、イタリヤ料理店は二、三の例外はあったが他は最も安上がりな大衆食堂であった。彼らの職種で代表的なものは、魚屋、床屋、洗濯屋で、それらは他の白人たちの経営するものより料金が安い。

イタリヤ人。いや、イタリヤ系のアメリカ人を、日本にいるとき誰が識別することができただろう。あの当時、ニグロでさえアメリカ人だったのだ。まして色の白いイタリヤ系の男を、誰が本国で軽視されている人種だということに思いついただろう。

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麗子の夫の格好はというと、これは相変わらずお粗末の極みだったのだ。夏の間中着ていただんだら縞の丸首シャツに、ジーパンをはいて、上にはもう今から皮ジャンパーを羽織っている。

皮ジャンパーといえば日本でこそ金目のもので、金持の息子や中年男の遊び着と思われているけれども、ニューヨークではこれはギャングか最低生活者のユニフォームみたいなものなのである。

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「ねえトム、一度私の友だちを家に呼びたいんだけど、どうかしら」

「ナイトオで働いている連中かい?」

「そうよ。竹子と麗子の二人。日本を出るとき船で一緒だった人たちなの。本当は志満子も呼びたいけど、竹子と仲が良くないし、私もあんまり好きじゃないから」

「その中でプエルトリコの亭主持っているのは誰だね?」

「麗子よ」

私は答えた。

「そりゃ美しい人なの。トムも会ったら、きっと吃驚(びっくり)すると思うわ。まだ二十二か三で若いし、色が白くて、眼が大きくて、本当に魅力的な娘(ガール)よ」

「なんだってそんな素晴らしい娘がプエルトリコにひっかかったんだ?」

「さあ、それなのよ。日本人にはプエルトリコ人なんて知識がなかったんだもの。単純にアメリカ人だと思ってしまって、それで結婚したんでしょ。麗子の家は、かなりいい家なんだけど」

メアリイが、口を出した。

プエルトリコ人の子が、私たちの学校にも来ているよ。きたない服を着て。でも女の子は、とてもバアバラに似てる」

「何を云うんだ、何を!」

トムが白い眼を剝(む)いてメアリイに喰ってかかった。

「メアリイ、いいか?バアバラはお前のお父さんとお母さんの子供だよ。お父さんはアメリカ人で、お母さんは純粋の日本人だ。それでどうしてバアバラがプエルトリコ人に似てるんだ?」

「でも、髪が黒いし、眼も黒いし・・・」

「いいか、バアバラは、アメリカ人だ。プエルトリコ人とは違う。二度と云ったら承知しないぞ」

メアリイはおずおずしながら、もう一度訊き返した。

「ダディ。プエルトリコ人はアメリカ人じゃないの?」

「違うとも、プエルトリコ人はプエルトリコ人だ。あいつらは最低の人間で、アメリカ人じゃないんだ!」

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ニューヨークのプエルトリコ人をみる人々の眼を考えてみると、私にはどうしてもニグロが白人社会から疎外されているのは、肌の色が黒いという理由からではないような気がしてきた。

白人の中でさえ、ユダヤ人、イタリヤ人、アイルランド人は、疎外され卑しめられているのだから。

そのいやしめられた人々は、今度は奴隷の子孫であるニグロを肌が黒いといって、あるいは人格が低劣だといって、蔑視することで、自尊心を保とうとし、そしてニグロはプエルトリコ人を最下層の人種とすることによって彼らの尊厳を維持できると考えた・・・。そしてプエルトリコ人は・・・。

金持は貧乏人を軽んじ、頭のいいものは悪い人間を馬鹿にし、逼塞(ひっそく)して暮す人は昔の系図を展(ひろ)げて世間の成上りを罵倒する。

要領の悪い男は才子を薄っぺらだと云い、美人は不器量ものを憐み、インテリは学歴のないものを軽蔑する。

人間は誰でも自分よりなんらかの形で以下のものを設定し、それによって自分をより優れていると思いたいのではないか。それでなければ落着かない、それでなければ生きていけないのではないか。

ハアレムに住み、ニグロばかりの中で暮してみると、眼のさめるように美しい人もいるし、驚くほど頭のいい学生にも出会う。

愚鈍な人間も多いけれども、白人だって日本人だって馬鹿な男の数は決して少なくないのだ。

 

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ふつうの小説、近代文学は「かっこいい個人を描く」んです。【高橋源一郎

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「非色」の主人公・笑子はまさしくそういう女性です。悩み苦しみ、時には間違いながらも、少しずつ一歩一歩着実に成長していきます。かっこいいです。f:id:seiyukenkyujo:20190828072417g:plain*1

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「この小説は想像や思いつきでは書けないな。実際に自分が体験したか、体験者から取材をしないと・・・」と思い調べてみると、

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有吉佐和子さんは、しばしば国内外へ取材旅行に出かけ1959年から1960年にかけてロックフェラー財団奨学金を得てニューヨーク州のサラ・ローレンス大学に9か月間留学していたそうです。

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『非色』は、その四年後1964年に中央公論社から発行されました。綿密な取材の結果が、この小説の奥深さにつながっているのでしょうね。

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最後に、大好きな川端康成「燕の童女」の言葉を紹介させていただきます。
世界中の人種が雑婚の平和な時代は、遠い未来に来るであろうかと、ぼんやり考えた。

参考文献
非色 新潮社

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非色を読んでいて、「だからイタリアン・マフィア…」「だからウエスト・サイド物語…」と、パズルのピースが埋まるみたいに、いろんなことが見えてきましたね。

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差別されるからこそ、自分たちを守るために結束し、争いが生まれてしまう…。いい世の中になってほしいものだにゃ。

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www1.odn.ne.jp

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*1:

 野坂昭如の小説とくらべてみる

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昨年12月16日のブログでも言及しましたが、野坂昭如さんの小説の主人公たち【「火垂るの墓」「マッチ売りの少女」その他】は、ストーリーが進むにつれどんどん堕(お)ちていくという傾向がみられます。

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小説のスタート地点では同じような境遇でも、「非色」の笑子とは対照的な運命をたどるのが、野坂文学の特徴の一つです。