ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

さびしんぼうのミッシングリンク

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初恋の人()橘百合子に一度はフラれた主人公の井上ヒロキは、なぜ、未来の世界で橘百合子と結婚できたのかf:id:seiyukenkyujo:20190801201641g:plain

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さびしんぼう」が大好きな、アニメ演出家の方と話し合ったことがあります。 

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結論としましては、川端康成の小説を、うまい具合にパクれば、それなりに辻褄が合います。 

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パターンその①「電話を受け取る」

橘百合子です。
父が、闘病のかいなく先日亡くなりました。つきましては、ヒロキさまの実家のお寺で葬儀を・・・という電話がきっかけで交際が始まる。(本当は手紙きっかけの方が風情があっていいけど、それでは葬儀の依頼としては不自然)

パターンその②「偶然の出会い」

フラれてから数年後、ヒロキが偶然はいったカフェで橘百合子が働いていた。フラれた手前、口籠るヒロキに、橘百合子の方から話しかけて来て・・・。

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橘百合子にヒロキがふられたセリフとは

「あなたに好きになっていただいたのは、こっちの顔でしょう・・・どうか、こっちの顔だけ見ていて・・・反対側の顔は見ないでください」

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このセリフを、好意的に読み解くと

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橘百合子は、ヒロキがきらいなわけではなく、父の具合が思わしくなく、母親も亡くなっているという現状では、恋愛についやす時間は自分にはない・・・とも解釈できます。*1 

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ですから、その重圧がなくなったと仮定したら、橘百合子がヒロキと結婚する未来も考えられますね。

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もちろん結婚しない未来も考えられるけどな。

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コミカル要素を排除した、橘百合子のエピソードを中心に「さびしんぼう」を見ていると、どうしても川端康成と重なってしまう自分がいます。

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www1.odn.ne.jp

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*1:

事実と推測を分けて考える

「父の具合が思わしくなく、母親も亡くなっている」これは事実。劇中で語られています。

シーン112

向島・家並(いえなみ)夜

やって来たヒロキ、はっとする。

着物姿の百合子、買いものをしている。

屋台の魚屋のおやじとその娘。

娘「はい、二匹で千二百八十円です」

百合子、おさいふの中を見ていたが、

百合子「すみません・・・一匹でいいです」

娘「へい、じゃ、一匹引いて、六百円におまけ」

百合子、お金を払う。

娘「ちょうどですね」

おやじ「お嬢さん」

百合子「えっ?!」

おやじ「お一つどうぞ」

おやじ、別の包みを差し出している。

おやじ「お父さんのおかげんいかがですか」

百合子「いつもすみません」

百合子、去りかける。

ヒロキ「百合子さん・・・」

百合子「はっ?」

 

シーン113
同・港(夜)

——中略——

ヒロキ「・・・ステキだ・・・その着物・・・」

百合子「ありがとう・・・うれしいわ・・・母の形見です」

ヒロキ「形見?・・・」

推測

「現状では、恋愛についやす時間は自分にはない・・・」と橘百合子は考えたのでは?これは私の推測です。

引用
「シナリオ」昭和六十年五月一日 発行 社団法人シナリオ作家協会

 

読解力アップのヒント

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「事実」と「推測」を分けて考えるクセをつけることで、文章を読み解く精度がアップするよ。

参考
レポートの組み立て方 筑摩書房