ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

行動する女性と川端文学

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「美しさと哀しみと」(板見けい子)「女であること」(さかえ)のように、川端文学には「行動する女性」が描かれています。

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それは、美しくて、勝気で、強情で、喧嘩好きで、利口で、浮気で、移り気で、敏感で、鋭利で、活発で、自由で、新鮮な、「丙午(ひのえうま)の娘」に川端康成が心を惹(ひ)かれていたことと無縁ではないでしょう。

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行動する女性が登場する作品は、現代でこそめずらしくなくなりましたが、ちょっと前まではそうではありませんでした。

小説は時代によって見え方が変わる?

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そう考えると「女はおとなしくしているのが当たり前」だった川端康成が生きていた時代と、現代の感覚では、川端文学から見えてくる世界は違って見えるのかもしれないね。

とはいっても

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川端文学に登場する「行動する女性」は、けっこうとんでもない行動を起こすケースが多い印象があります。

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「美しさと哀しみと」の板見けい子は、復讐と殺人。

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「女であること」のさかえは、尊敬する市子の旦那さんを誘惑しようとするし、「人間のなか」の三崎桃代は、ストーカーと浮気。

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「出世人形」の美佐子に至っては、売れっ子女優となった現在、ゴシップを警戒し、策略をめぐらして男をホテルに誘う狡猾な女です。

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もちろん川端文学には「古都」の佐田千重子のように、しっかりとした貞淑な女性も多く登場します。「性格のふり幅」が大きいんですね。

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昔はめずらしかった「行動する女性」を描いた川端文学。川端康成は時代を先取りした作家だったともいえるかもしれませんね。

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