怖い人の演じ方
大ざっぱに分けると2種類あるよ。
1.「おれは怖いんだぞオーラ」を積極的に周囲に発散しているタイプ。
アニメなどに出てくる、不良グループやチンピラなどは、このタイプが多いですね。
2.身体がデカい、声が太い、顔がいかつい、など、本人に怖がらせる気はないのに、生まれつきの見た目で怖いと判断されてしまうタイプ。
あらすじ
山姥(やまんば)の娘まゆは、ある日鬼に会います。
鬼はまゆを煮て食べようとお湯を沸かしはじめます。
まゆはそうとは知らず、薪の山を作ったり、かまどの石を積んだり、手伝います。
その怪力に驚いた鬼も、鍋のお湯が沸くころには、もうすぐまゆを食べられるとにんまり。
ところがお湯が沸くと、風呂を沸かしているとばかり思っているまゆは、「お先にどうぞ」と言うなり、鬼を鍋に放り込んでしまいます……。
「まゆとおに」に出てくる鬼は、まゆを食べようとします。
だから怖いといえば怖いんだけど、自分から積極的に「怖いんだぞオーラ」を発散しているわけではありません。むしろ2のタイプに近いです。
人間だって、牛や豚を食べますからね。鹿や猪など、猟師が捕まえた野生の生きものを食べるジビエ料理もあるし。鬼からすれば、人が牛肉のステーキを食べるのと同じだよ、となるかもしれません。
そして、
猟師さんは不良グループのように、怖いんだぞオーラを発散してません。
そうなると鬼を演じるとき、怖いんだぞオーラを出そう、とするのではなく、
怖く見える人が「うるせえガキだな、あっち行け」みたいに、この場面ではイラっとしているだけかな、なんて考えていくことで、今までと違うものが見えて来るよ。
どんなにやさしい人だってイライラすることはありますからね。以上、先日行ったレッスンのひとコマでした。楽しかったです。それでは、また。
参考
まゆとおに やまんばのむすめ まゆのおはなし 福音館書店