なんとなく不思議なこと
東海道 川端康成
一万年前というのも、百万年前というのも、大して変りがないようにしか、感じられない。
「人間は、いったい、どのくらいの年数を、実感として、心に持てるものだろうか。」
人の寿命が、その土台となるにちがいない。
また、人それぞれ、日常の思考の習わしにも、基づくだろう。
国文学者の植田には、千五百年から五六千年くらいが、やっとかもしれぬ。
なんとなくわかるような気がする・・・。
「ゴジラ」(1954年)の有名な「間違いエピソード」を紹介します。
作中で、ゴジラという生物は、200万年前のジュラ紀に生息していた海棲爬虫類と陸上獣類の中間生態を持つ生物であることが、山根博士により語られます
が、
ジュラ紀は、現在から約1億9,960万年前にはじまり、約1億4550万年前まで続く恐竜の時代です。
1億9,960万年前というと、だいたい2億年。200万年とはだいぶ違いますね。
そうかなあ・・・正直あんまり実感わかないし・・・どっちでもいいような気もする。
でしたら、おなじ数字を別のものに置き換えてみましょう。
2億円の宝くじに当たったのに、200万円しかもらえなかったとしたら・・・。
ざけんな、コラてめえ
あしたの空気、吸いたくないんか
と、激怒するかもしれません。数字はおなじなのに不思議ですね。それでは、また。
引用
天授の子 新潮文庫
役を演じるヒント
役の人物の気持ちが今ひとつ自分に理解できない場合は、年数をお金にかえたように、「自分が共感できるもの」にしてみることで、役の気持ちが理解でき、役に入りこみやすくなりますよ。