ルーシー
化石捜しのコツ
「探しているものの大きさをまず決める。その大きさのものしか目に入らないようイメージ訓練をするのです」
「発見」というものは運だけではありません。周到な準備がなければ見えるはずのものも見えないのです。それはどんな科学にもいえることです。
引用
われら以外の人類 朝日新聞社
ルーシーというのはもちろん、エチオピアのアファールのサバンナから出土し、ルーシーと名づけられた前人類きっての美女を指している。
彼女は300万年前に20歳になったばかりのころ、不運にもハダールの湖で溺死した。
ルーシーは想像をかき立てるほど古く(最近の情報では318万年前)、(人類の直系ではないにしろ)先祖筋にあたり、20歳という妙齢の女性であった。(実は、アウストラロピテクスにとっては、これはかなりの老齢なのだ!)。
アウストラロピテクス化石骨の発見としては、ルーシーが最初ではない。
1974年11月のルーシーの発掘から、ちょうど50年前の1924年11月に、タウングの採石場で収集された頭骨が最初である。
ところが、ルーシーによって、古人類学者たちは初めて同一個体の全身骨格を間近に観察できるようになった。
しかも、発見された人骨が多かったので、各骨の寸法と比率、その位置関係がくまなく明らかになったのである。
それでは、発見されたルーシーの骨格から再現されたルーシー像の解剖学的特徴について、頭から足へ、順番に見ていこう。
ルーシーの身長は?(答・1~1.2メートル)
体重は?(答・20~25キログラム)
これは私の子どものカンタンが3歳で達した程度の身長と体重である。
腕と足の長さの比率は?
(答・ルーシーの腕は脚にくらべて、私たちの基準ではかなり長い。ただし、彼女の脚は胴体にくらべて短いので、私たちと比較するには、それを考慮しなければならない。要するに、ルーシーの脚が短いので腕が長くみえるのかもしれない)。
引用
ルーシーの膝(ひざ)人類進化のシナリオ 紀伊國屋書店
ルーシーの骨格
*1:ルーシーの死因については他の説もあります。
「ルーシー」という名で知られる初期人類アウストラロピテクス・アファレンシスの死因は、318万年前に木から落下したことによるという研究論文が科学誌「Nature」に掲載された。