ブレヒトの詩
あなたがたはこの世を去るとき
自分たちが善良であったか ばかりを気遣うな
善良な世界を去るように心掛けよ
ほんものの進歩 とは
目下進歩的状態 ではなく
目下進歩中 のこと
ほんものの進歩 とは
目下進歩中 を可能にさせる
あるいは 余儀なくさせるもの
引用
ブレヒトの思い出 法政大学出版
最初の詩は、悪いことをすればするほど、いい暮らしができるこの世はどこか間違っている、という「セチュアンの善人」を書いたブレヒトの面目躍如といった感じがします。
2番目は、すでに完成した自分の作品に対しても、後に到達した<成長した>自分の立場から批判訂正をし、次々に改作していったブレヒト自身を表現した詩ですね。
ブレヒト大好き。