ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

マリリン・モンローとヌード

マリリン・モンローは無名時代、お金がなくてヌードになりました。その、ことの顛末です。

f:id:seiyukenkyujo:20220326120838j:plain

「芸術的なヌードをカレンダーにする」という企画だった。マリリンはこの話に乗り、真紅のカーテンの上で彼女は全裸になった。

写真の権利はカレンダー会社が五百ドルで買い取り、マリリンは五十ドルを貰っただけだった。日給とすれば高いほうなのかもしれないが、彼女はあまりにも安く自分を売ってしまった。

ヌードカレンダーは、アメリカじゅうのガソリンスタンドに貼られていた。それを見た何人かが、最近観た映画に出ていた娘ではないかと思った。二十世紀フォックスには脅迫まがいの手紙が届くようになった。

現在ではヌードなど珍しくも何ともないが、当時は映画のなかですら女優のヌードはご法度だった。人気女優のヌード写真など、存在してはならないものだった。それが、あった。

マッカーシズムは、共産主義者を追放しようとしただけでなく、性的モラルに対しても厳しかった。二十世紀フォックス幹部の中には、会社の存続が危ないのではないかと脅える者まで出てきた。

マリリンは会社に呼び出された。もみ消すにしろ、そうでないにしろ、会社としては真相を知る必要があった。

マリリンはそのヌードが自分のものであると、あっさりと認める。首脳陣は頭を抱えた。

一週間後、マリリンは女性ジャーナリスト、アリーン・モスビーのインタビューを受けた。

「アリーン、困ったことになってるの。数年前、お金がなくて不自由していたとき、知り合いのカメラマンにヌード・モデルをしてくれって頼まれたの。それで五十ドルもらったの。本当に必要だったの。これって、そんなにいけないことじゃないでしょう。そうしたら、その写真がカレンダーに使われたみたいなの。会社からは私のヌードだって認めると、キャリアが台無しになるから、否定しろって言われているの。でも、噓をつくことはできないわ。どうしたらいいかしら」

モスビーの記事は三月十三日のロサンゼルス・ヘラルド・トリビューンに掲載され、それをさらに全米のメディアが後追いした。

彼女の言い分——お金がなくて、仕方なくヌードになった、そんなに悪いこととは思わなかった——が報じられると、大衆はマリリンを支持した。

いったい、どこが悪いのだ。マリリンは「正直」だとも評価された。

あっさりと認めたことで好感を得たのだ。そして、ヌードになったのを恥じていないことも評価された。男性は単純に喜び、女性は生活のために裸になった彼女に同情した。

マリリン・モンローは一躍、全米中にその存在が知られるようになった。

引用
大女優物語 新潮社