ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

カフカの「変身」を解釈する

ある朝、グレゴール・ザムザが夢からさめると、ベッドのなかの自分が一匹のばかでかい毒虫に変って 重い病気にかかっているのに気がついた。

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これは『荻上チキ・Session-22』で特集された、「食べることと出すこと」~潰瘍性大腸炎闘病記~の著者、頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)さんの解釈ですが、「まさしくその通り!」と激しく同意したので紹介させていただきます。

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たしかに「毒虫」のワードを「病気・重病人」に置き換えてカフカの「変身」を読んだほうが、はるかに内容が理解しやすくなります。

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いやはやなんとも・・・すごい人っていっぱいいますね。

参考文献

変身 岩波文庫

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www1.odn.ne.jp

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量子力学・理論と解釈の系譜

ミクロとマクロの歴史

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量子力学をめぐる理論と解釈の系譜だよ。

古典力学

アイザック・ニュートン
万有引力の法則」
1687

ジェームス・マクスウェル
「電磁波理論」
1871

 

原子物理学

ロード・ケルヴィン
「原子模型仮説」
1902

長岡半太郎
土星型原子模型仮説」
1903


一般相対性理論
1915

アルバート・アインシュタイン
「光子説」
1905

相対論的宇宙論

アレクサンドル・フリードマン
フリードマン宇宙モデル」
1922

アベ・ルメートル
「膨張宇宙論
1927

ジョージ・ガモフ
「ビッグバン理論」
1946

佐藤勝彦
「インフレーション宇宙モデル」
1980

 

前期量子論

ルイ・ド・ブロイ
「物質波説」
1923

 

量子力学

ウェルナー・ハイゼンベルク
行列力学
1925

エルヴィン・シュレディンガー
波動力学
1926

 

コペンハーゲン解釈

ニールス・ボーア
「相補性原理」
1927

ウェルナー・ハイゼンベルク
不確定性原理
1927


マックス・ボルン
「確立解釈」
1923

ジョン・フォン・ノイマン
量子力学の数学的基礎」
1932

素粒子

湯川秀樹
「中間子理論」
1934

朝永振一郎
「くりこみ理論」
1943

マリー・ゲル・マン
クォークモデル」
1964

ワインバーグ&サラム
「力の統一理論」
1967


ディック&カーター
人間原理宇宙論
1974

多世界解釈

ヒュー・エベレット
パラレルワールド論」
1957

ジェームス・ハートル
「確率解釈の導出」
1968

ウースター・ズレック
「環境理論」
1981

和田純夫
「宇宙波動関数の解釈」
1986

ル・マン&ハートル
「脱コヒーレンス経歴理論」
1991

 

量子宇宙論

ペンローズ&ホーキング
特異点定理」
1967

アレクサンドル・ヴィレンキン
「無からの宇宙創成論」
1982

ホーキング&ハートル
「無境界仮説」
1983

シドニー・コールマン
ワームホール理論」
1988

 

シュレディンガーハイゼンベルク

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原子の安定性とクォンタム・ジャンプ、この二つの奇妙な事実を説明することから、20世紀の物理学は出発しました。

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そして、アインシュタインやド・ブロイの仮説を経て、ほぼ同時期に発表されたのが、シュレディンガーの「波動力学」と、ハイゼンベルクの「行列力学」です。

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すぐにディラックジョルダンによって、シュレディンガーの方程式とハイゼンベルクの方程式からは、どのような問題に対しても常に同じ答えが導かれることが証明され、両者の方程式は同等であることがわかりました。

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もっとも、シュレディンガー方程式には波という具体的なイメージがありますが、ハイゼンベルク方程式の方はより抽象的で物理的イメージが付けにくいものです。

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そのため量子論を学ぶときはまず、シュレディンガー方程式から始めるのが普通です。

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しかし複雑な問題になると、ハイゼンベルク的な方法の方が役立つ場合も数多くあるそうですよ。

 参考文献

シュレディンガーの猫がいっぱい 河出書房新社

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www1.odn.ne.jp

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講師と生徒の共演です。


講師・生徒共演オンディーヌ

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8月19日にアップロードしたレッスン動画の、母親・ユージェニーを女生徒の演技に差し替えました。

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やはり女性のセリフは、男性講師が演じるより女性のほうがずっといいですね。

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www1.odn.ne.jp

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演技とは行動だ! プラス 役の掘り下げ

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行動のリアリティ

マイズナーはいった。「さて、行動のリアリティとはどういう意味だろう。」

若い男性がいった。「何かするときは、しているふりをするんじゃなくて、本当にすることです。」

「そして、役を演じているようにしないことだ。ピアノを弾くときは、最初にふたを開けるだろう。つまり、音楽的にいえば、ピアノのふたを開けることは、行動のリアリティだ。他に質問はあるか。」

 

「あなたは、私たちが本当にできるものを与えました。他の人を観察したり、車の音を聞いたりすることです」レイがいった。「そして、もし本当に車の音を聞くことや、人を見ることに集中したら、役を演じているかどうか心配する必要はありません。集中してやっていることがあるからです。」

「それが役というものだ。」

「それが役ですか」レイがたずねた。

「そうだ。」

 

「そうすると、役になって演じる必要はない。何かをやっていれば、確実に役が現れるということですね。

「そのとおり。いいか。すべての劇は、行動のリアリティに基礎をおいている。リア王が天に向かってこぶしをふるわせることさえ――俳優が自分の運命を激しく非難していることに基礎をおいている。わかるか」

マイズナーは間をおいた。

「今は信じられないだろうが、もっとよくわかるようになる。心配することはない。自然に明らかになる。だんだんと明確になってくる。それが演技の基礎だ。」

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「何かするときは、しているふりをするんじゃなくて、本当にすること」については「スタニスラフスキー理論メソッド演技」のエピソード.2で詳しく説明しています。ぜひどうぞ。もちろん無料です。

stanislavskii.tabigeinin.com

 

「役になって演じる必要はない。何かをやっていれば、確実に役が現れる」

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これについて、生意気なのを承知で私の考えを述べさせていただきます。

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監督 (演出家) さんが、ふだんの素のまんまの自分とほとんど変わりない役に割り振ってくれたなら、役についてあれこれ考えなくてもいいと思います。

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しかし、ふだんの自分とかけはなれた性格の役【たとえばテロリストとか】を割り振られた場合はどうでしょう。

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勧善懲悪の単純なアクションものならいざ知らず、社会派の作品ともなると、役の内面を深く掘り下げて、「なぜこの役の人物はこのような考えを持つようになってしまったのか、彼にどんな過去があったのかf:id:seiyukenkyujo:20190816181454g:plain」などを考えて、役に近づいていく作業が必要になってくると思いますよ。

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ただし、こうも考えられます。

 

「役を演じているようにしないことだ」

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これは、ウタ・ハーゲンが「“役を生きる”演技レッスン」で言及した、「描写の演技」(オーバーな演技)について語っている、とも解釈できます。

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マイズナーはここで、「いかにも自分は演技をしています」みたいなオーバーな演技ではなく、「あくまで自然な演技を目指しましょう」と

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役の人物を掘り下げる作業については、他の機会に譲って、ここではあくまでも自然な演技にテーマを絞(しぼ)って語っていたのかもしれません。

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そう解釈すると、マイズナーの論理は理にかなっていることになりますね。

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いろんな角度から物事を見つめて、たくさんの考え方を持った声優になってください。応援しています。

参考文献

「サンフォード・マイズナー・オン・アクティング ネイバーフッド・プレイハウス演劇学校の1年間」 而立書房

「“役を生きる”演技レッスン リスペクト・フォー・アクティング 」 フィルムアート社

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www1.odn.ne.jp

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ブレードランナーとギャラクティカ

合成記憶 (ニセモノの記憶)

「三人のテストの結果がどう出るかな?」とリック。

ガーランドはいった。「あのレッシュめ、お話にならんまぬけだ」

「自分の正体を知らない?」

「知るものか。疑念さえ持っていない。全然そんなことは考えてもいないんだ。われわれはおなじ宇宙船に乗り合わせて、火星からここへやってきた。レッシュはちがう。彼だけはもう一週間あとに残って、合成記憶の移植を受けてきたんだ」

リックはいった。「真相を知ったら、彼はどうするだろう?」

「彼はわたしを殺して自殺するかもしれん。ついでに、きみも殺すかもしれん。人間もアンドロイドも見さかいなく、かたっぱしから殺しにかかるかもしれん。合成記憶が埋めこまれているときには、そういうことも起りうると思う。アンドロイドが自分を人間と思いこんでいる場合には」

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 早川書房 

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映画「ブレードランナー」の原作本「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の一場面です。

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これを読んでいて「バトルスター・ギャラクティカ」に、まったく同じ場面があったことを思い出しました。

 

エピソード8 神が導くもの

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サイロン探知機」を作ることを依頼されたガイアス博士は、まず手始めにシャロンで試験を行いますが、「シャロンサイロンである」という予想もしなかった結果に動揺しうろたえます。

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目の前にいるシャロンに伝えるべきかどうか迷うガイアス博士に、ナンバー6はこう告げます。

 

「真実を明かすことで感謝されるか…それとも殺されるか。彼女、気づいてないようよ、自分は人間だと思いこんでいるみたい。真実を知ったらどんな反応を示すか見ものね。サイロンの意識が目覚めて秘密を暴露されないようあなたの首をへし折るかも」

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追い詰められたガイアス博士はとんでもない行動に出ます。

 

「おめでとう人間だったよ。100%人間だ。きみはもうこれ以上ありえないってくらい人間らしい」

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いやもう腹をかかえて笑いました。

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このような【元ネタ問題】は、パクリとか盗作ではなく「オマージュ」だとわたしは考えています。

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素晴らしい作品が最初にあって、それをヒントにもっといいものを作ることでいろんなことが進化し進歩する。とってもいいことだと思いますよ。

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www1.odn.ne.jp

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お通夜の晩の不思議な出来事

 

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今回、紹介させていただくのは、お通夜の晩に起きた不思議なお話です。

友達
友達が、急に亡くなった。
以前から肝臓が弱っていた、というのはあとから聞いた話なのだが、ある日急に血を吐いて倒れ、しばらく入院したのちにそのまま帰らぬ人になってしまった。まだ四十代前半だった。

その友達は職人で、自分でつくった物を売る店を夫婦で営んでいた。夫婦とも生まれ育ちはこの土地ではなく、旅行で訪れたこの町が気に入って「ここで商売をしよう」と三年ほど前に移り住んできたのだった。

私と私の夫は、彼らがこの土地に住み始めてから縁あって知り合い、たまに四人で一緒にお酒を飲みに行ったりしていた。

お通夜には、古くからの友人や取引先、遠くから駆けつけてきた親族のみなさんが集まった。

「故人はみんなで楽しく食べて飲むのが好きでした。倒れる前、なぜか急に、自分が死んだらみんなでにぎやかに食べて飲んで送ってほしいと言っていました。だからみなさん、今日はたくさん飲んでいってください」

亡くなった彼の妻がそう言い、その夜はささやかな酒盛りになった。

夫と私も、彼の両親や親族、友人、知人のみなさんと一緒に、彼の棺の前でお酒を飲んだ。私は他の席にお酌に回り、しばらくして気づくと、夫はだいぶ酔いがまわった様子で、その日初対面の、亡くなった彼の取引先の若い人たちを相手に大きな声で話をしていた。

「俺は、自分の仕事には責任と自信を持ってやってきた」
「ここは小さな地方都市だけど、自分がやってきたことは誰にも負けていないと思う」

夫はふだん、そんなふうに人に対して自分の仕事のことを話す人ではないので、不思議な気がした。まだ年若い友人が突然亡くなったショックと、このところいろいろなことが立て込んでいた忙しさで、ふだんと違う酔い方をしているのかもしれない、と思った。

翌朝、夫に「きのうはだいぶ酔っていたみたいだけど、覚えてる?」と聞くと、「いや、それがまったく覚えていない。どうやって帰ってきたのかも思い出せない」と言う。

数日後、亡くなった彼の妻がこう言っていた。

「先日は、いろいろありがとう。お通夜のとき、旦那さん酔っぱらっていたけど、大丈夫だった?あのときの話し方、なんだかうちの夫にそっくりだった。昔からああいうふうに、若い人に、自分の仕事のことを一生懸命話す人だった。あんまりそっくりだったので、ちょっとびっくりしたわ」

私の夫が、そんな口調で話したのは、私が知る限り、そのときだけだ。

「嘘みたいな本当の話」イースト・プレスより

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こんな幽霊(f:id:seiyukenkyujo:20191122020501g:plain)だったらいいですね。なんとなく「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990年)の一場面を思い出しちゃいました。

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www1.odn.ne.jp

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ハッカー対策

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ハッカー

(この本の著者、佐藤優さんの)友人が扱っている有力商品がハッカー対策技術だ。

「目の前であなたの会社や官庁のコンピューターに侵入してみせます」というのがセールスのコツだ。

どれだけ完璧に防御されている民間企業のコンピューターでも1時間程度で侵入できるという。

 

民間企業だけではない。某大国の政府機関のコンピューターの防御を目の前で簡単に破った実績がある。

 

この先は筆者の憶測だが ( こういうことは直接尋ねないのがインテリジェンス業界の掟(おきて)だ )、どうも友人の国では、政府が敵対国のコンピューターに侵入しプログラムを改変する特殊工作の技術が異常に発達しているようだ。その技術を民間に転用しているのだ。


思い出したこと

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コロナ前、わたしたちは渋谷にある「国立オリンピック記念青少年総合センター」で演技の練習をしてました。

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施設の予約はパソコンで申し込んでいたのですが、

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ある日とつぜんセンターHPの閲覧ができなくなってしまったのです。f:id:seiyukenkyujo:20190913102215g:plain7年くらい前の秋のことでした。

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オリンピックセンターの職員の方に尋ねたところ「対策は講じていたのですが・・・」とのこと。

 

国立施設のHPも侵入される・・・

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過去にこんなことがあったので、この本の内容はリアルでした。

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因(ちな)みに、この本の文章を担当しているのは元外務省主任分析官の佐藤優さんでロシアに友人が多いみたいです。

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ロシア製のウイルス対策ソフトというと・・・あれだよね。

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参考文献

とりあたまJAPAN 新潮文庫

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www1.odn.ne.jp

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