ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

川端康成

エロティック川端康成

エッチな表現を、下品になる一歩手前で抑えるのが川端文学の特徴だといわれます。 舞姫 川端康成 やはり、ゆうべ、旅帰りの夫を迎えた、つかれであろうか。 このごろでは、波子は自分をおさえるのだが、矢木はそれを知らぬふりで、こころえていた。 波子は夫…

天敵襲来!絶滅を回避せよ

「わけあって絶滅しました。」を読んでみると、スティーブンイワサザイさんだけでなく、 天敵が登場すると、残念ながら生物は絶滅してしまうことが少なくないようです。 そんななか、「工夫」で生きのびた生物がいました。モリアオガエルさんです。 伊豆温泉…

木炭車と拳銃と歴史は繰り返す…

小説には当時の人びとの暮らしや風景がタイムカプセルのように封印されていたりします。 学校の教科書には書かれてない歴史ですね。 舞姫 川端康成 タクシイがいやな音を立ててとまると、うしろから煙をふき出した。 炭の俵とまきの袋とを、うしろにつけた車…

なんとなく不思議なこと

東海道 川端康成 一万年前というのも、百万年前というのも、大して変りがないようにしか、感じられない。 「人間は、いったい、どのくらいの年数を、実感として、心に持てるものだろうか。」 人の寿命が、その土台となるにちがいない。 また、人それぞれ、日…

川端康成と上手な文章のヒント

「可愛い」というワード(言葉)をつかわずに、読者に「可愛い」と感じさせる文章を書きましょう。 「上手な文章の書き方」みたいなコラムにそう書いてありましたが、川端康成の文章はまさにそれですね。 故園 川端康成 私が門口をあけるなり、えらい足音で駈(…

心に残った言葉たち 川端康成

大好きな川端康成の小説から、印象に残った言葉たちを紹介します。 母国語の祈祷(きとう) 川端康成 言葉とは何か。符牒(ふちょう)に過ぎない。 母国語とは何か。 「言葉の相違というものは、実は野蛮人の間で他の種族に対して自分達の種族の秘密を隠すために…

自分に潜む「なにか」に操られる感覚

目次 舞踊靴 川端康成 「人形つかい」との共通点 侵略SFの代表的名作 舞踊靴 川端康成 彼女は金色の舞踊靴を穿いて踊った。 そして、素足で穿く金色の舞踊靴に、彼女の足の脂汗(あぶらあせ)がしみこんだころであった。 舞台裏の階段を下りようとすると、子…

同情された?懲(こ)りない2人

SF小説と純文学 1984年 動物農場 2001年宇宙の旅 幼年期の終り アルジャーノンに花束を アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 侍女の物語 といったSF小説にくらべ、純文学は「本当のことが書いてあるんじゃないか…」と錯覚してしまう自分がいます…

心の内面を描写する川端文学

川端康成「親友」は、少女向けに書かれた小説です。 少女小説とは言っても、そこは川端康成。吾輩のようなおっさんにも楽しく読める傑作ですよ。 あらすじ めぐみとかすみは中学一年のクラスメイト。 赤の他人ながら、ふたごと見まごうばかりに瓜二つ。誕生…

「河童」を風刺と演劇的な視点で

これは或精神病院の患者、——第二十三號が誰にでもしゃべる話である。 河童 芥川龍之介 職工の解雇されるのも四五万匹を下らないそうです。 その癖(くせ)まだこの国では毎朝新聞を読んでいても、一度も罷業(ひぎょう)という字に出会いません。 僕はこれを妙に…

東京五輪と井伊直弼と役作りのヒント

鎖国をやめて開国する 答えは一つしかないと分かっているのに、汚名を着るのを恐れて誰も決断を下そうとしない。 結局泥をかぶる決意をしたのは、大老井伊直弼(いい なおすけ)ただひとりでした。 幕末の大老、井伊直弼 彼について、悪人というイメージを持…

奔放な女性たち川端文学

これってつまり女たちの浮気の描写です。 舞姫 川端康成 ぜいたくと言われた女学校を、波子は出ていて、名家や富家にとついだ、友だちが多かった。 そういう家庭は、敗戦による、転落がはなはだしく、また、所帯じみないで来たために、中年の女になりながら…

変態小説

これはやばい、さすがにやばい、いくらなんでもシャレにならん。これを読んでしまうと、以前のブログで〝変態小説〟だと論じた「指環」が可愛く思えてしまいますぅ。 士族 川端康成 「絵が好きならうちへいらっしゃい。絵の本をいくらでも見せてあげるよ。」…

美しい少女が天から降ってきた

口笛を吹きながら、ドイツの詩人キュウゲルンゲンが人通りのと絶(だ)えた夜更(よふけ)の街を歩いているところへ、ばさりと美しい少女が天から降ってきた。 なんとなく有名なアニメ映画を思い出してしまうこの小説は、川端康成「海の火祭」の一部「香の樹」の…

川端康成にも失敗作がある?

海の火祭 川端康成 川端康成全集第二十二巻の解説によると「海の火祭」は失敗作であると川端自身が認めているようです。 「海の火祭」は川端が28歳の時に発表した作品です。 生意気を承知で言わせてもらいますと 他の川端文学と比べてみると失敗作というよ…

変態は時代と共に・・・

・・・変態(へんたい)小説ですぅ。 指環(ゆびわ) 川端康成 貧しい法科大学生が翻訳(ほんやく)の仕事を持って山の温泉場へ行った。 都会から来た芸者が三人団扇(うちわ)を顔にあてて、林の中の小亭(しょうてい)で昼寝をしていた。 林のはずれの石段から彼は渓…

ゴジラと川端康成とプロメテの火

伊福部昭とは ゴジラマーチを作曲した音楽家です。 川端康成「舞姫」に伊福部昭の名前が出てきたんでビックリしました。 引用させていただきますね。 舞姫 川端康成 波子は二日つづけて、帝劇へ行くことになる。 今日は、江口隆哉、宮操子の公演の第一夜で、…

ストーカーのお話

前回のブログでちょっとだけ触れた「人間のなか」についての考察です。 人間のなか 川端康成 「人間のなか」はストーカーの話であり不倫の話です。 しかもストーカー行為を働くのは、女性である桃代です。 川端文学には、「みずうみ」(←完全なストーカー小説…

行動する女性と川端文学

「美しさと哀しみと」(板見けい子)「女であること」(さかえ)のように、川端文学には「行動する女性」が描かれています。 それは、美しくて、勝気で、強情で、喧嘩好きで、利口で、浮気で、移り気で、敏感で、鋭利で、活発で、自由で、新鮮な、「丙午(ひのえ…

川端康成とコカコラの車

舞姫 川端康成 波子は電車のなかでも、ぼんやりしていた。 「お母さま、コカコラの車・・・。」 品子に言われて、外を見ると、横腹の赤い箱車が走っていた。 「舞姫」より 新潮文庫 p.93 もしかして、これのこと なんかもう、ブレヒトの「マハゴニー市の興亡…

心の中にいる悪魔と演劇

人間はふだん「悪い心」を自分の心の奥底に封じ込めている。 その自分の中にある「魔」に気づき、解放するのが演劇であり、役に近づく第一歩である。 これは、わたしがまだ若いころ、先輩の声優から教えられた言葉です。 この小説を読んでいて、それを思い出…

妹萌え💗と父となる話

メッチャ都合よすぎ ありえない へそが茶を沸(わ)かしますね ・・・だけど なんだかいいなと思っちゃう話が——。 父となる話 川端康成 「これがお前のお父さんだと、お母さんが死ぬ時にくれた写真なのよ。東京にいるはずだから、お前が大きくなったら頼ってお…

時代の祝福

時代の祝福 川端康成 そう、そう、私は地震の時に (関東大震災のこと) ずいぶん沢山の惨死体(ざんしたい)を見ましたが、同じように腸(はらわた)を飛び出して隅田川に浮んでいるのでも、私は人間よりも馬の死骸(しがい)に涙を流してやりました。 だって、人間…

行動の観察と読解とスパイ小説

台本を読み解くには行動を観察しよう 2020年8月6日のブログより 台本に書かれた登場人物は、いろんな言葉(セリフ)をしゃべります。その言葉は本当のことだったり、あるいは完全なウソだったりと、さまざまです。 その言葉がウソか本当か見抜くには、登場人…

丙午(ひのえうま)の娘は魅力的💗

南方の火 川端康成 「午(うま)が祟(たた)っていたんですわね。」 自分が丙午(ひのえうま)生まれのことを思い出しているのである。 「丙は陽火なり。午は南方の火なり。」と「本朝俚諺(りげん)」に出ている。火に火が重なるから激し過ぎるというのだ。 弓子は…

母の初恋と非常

非常 川端康成 ———「お前との約束はあったかもしれないが、この女はおれのものになっている。」 「いや、この女を愛する愛し方を知っているのはおれ一人だ。」 しかしみち子は、その男をかばい、眉(まゆ)をそびやかして高らかに私を笑う。 「非常」(昭和13年…

妹萌え💗

孤児の感情 川端康成 父母が死んだ夏から、四歳の私と一歳の妹とは、別々の家に引取られて大きくなった。 幼い頃の私は父母が死んだことも忘れていたし、妹が生きていることも忘れていた。 だから、田舎の家の縁側に七歳の私と並んで焼栗(やきぐり)を食って…

川端康成「ちよもの」一覧

川端康成には「ちよもの」と呼ばれる作品群があります。成就しなかった初恋の人を扱ったものです。 川端22歳、ちよ15歳の時から交渉があり、翌年結婚話がまとまりましたが、少女の心変わりによって婚約は一方的に破棄され、川端の心に傷痕を残しました。 川…

ガン

余命半年、延命治療で1年。ただし患者さんのなかには5年くらい生存した方もいます。 2020年8月17日 (月) 13時半すぎ 巻島直樹は、全身にガンが転移していて、ステージ4【末期がん】の状態だと告(つ)げられました。 おもしろがろう、楽しもう 不思議なも…

心に残った言葉たち 小説編

川端康成「たんぽぽ」 「もしその崖で、お父さんの亡霊に呼ばれて、稲子さんがふらふらと崖から海に落ちたら、僕も落ちますよ。それも幸福だと思います。」 「およしになって。久野さん。稲子の父はそんな怨霊にはなっていません、絶対に。」と母は強く打ち…