読書
「あなたの書く小説には問題がある」として、主人公の小説家は召喚されてしまいます。 カフカの「審判」のような理不尽で怖い話です。 カフカの「審判」も読みましたが、「日没」のほうが、読みやすくて分かりやすいです。まあカフカは、原因と結果が結びつ…
裏庭 梨木香歩 「これは、レベッカの造りだした庭です。私は最初から——幻の王女の跡を辿(たど)ってここまできたのです。私には、私の世界なんてないんです」 「道がないのだから、ある程度先人の跡を辿るのはやむを得ますまい?使えるところは使い、使えない…
生徒から教わりました。 他人を見下しちゃいけないよ、いい気になっちゃいけないよ。 たとえ、自分にどれだけ才能があったとしても、それだけではうまくいかないよ、というお話です。 深いお話です。 教えてくれた生徒に感謝です。 発狂して、虎になっちゃう…
「図書館で役目を終えた本を、ほしい方に譲(ゆず)ります」という,リサイクルのシステムが、図書館にはあります。 タダで本がもらえるんです。 図書館通いが大好きなわたしは、本をいっぱいもらってきました。 部屋中が本だらけなんですが、まったく気になり…
読書をすることで、演じる役の精度が深まっていくよ、と昨日のブログに書きました。 そんなわけで今回は、演劇専門の古書店を紹介させていただきます。 こちらは、東京・神田にある「矢口書店」です。演劇関係者には、ホントうれしい店です。わたしも何度か…
「うわ、マジかよ。今までのオレ、全然まちがってたよ。こっちの考え方のが、ずっといいよ」 本を読んでると、こんなことが当り前のように起こります。 そういった、 まだ本を読んでなかった時の自分と、本を読んで新たな知識を得た自分を 分けてストックし…
戦争なのよ、エディタ (ディタの正式な名)。戦争なの 「SSに見つかれば処刑される」 そう言いながら親指を立て、人差し指を水平に伸ばしてピストルを作り、ディタの額に向けた。 彼女は動揺なんかしていないと伝えたかったが、思いもかけない重責を前に緊張…
私はいわゆる発達障害者だ。 もしかすると私の「仲間」でも、多くの人は、私のような考え方や感じ方に無縁という可能性もある。 だが、それで良い。 それこそが「脳の多様性」なのだから。 私もあなたも、脳の多様性を生きている。 脳の多様性とは、英語で言…
「チ。ー地球の運動についてー」は、天動説が主流となっている15世紀のヨーロッパを舞台にした漫画です。 ラジオを聴いていたら、この本が紹介されていたので読んでみようと〝図書館検索〟をしたところ・・・ どこの図書館にもない国会図書館にしかないだけ…
演技のヒントになりそうな箇所を紹介させていただきます。 母は以前、結婚する前のことをよく話してくれた。 母が仲がよかった兄のリンに、夫になってほしいと思っていた父に会わせたときの話だ。 夏の夕暮れどきで、父のいとこたちは、収穫の後のお決まりの…
ウソやミスリードを見抜き追及する、弁護士についての興味深い記述を見つけたので紹介させていただきます。 ブロンストン対アメリカ合衆国 サミュエル・ブロンストンは、個人と会社の両方の銀行口座を複数の国に持っていた。彼の会社の破産審問で、ブロンス…
おすすめの本 「カムイ伝」 白土三平 「古都」 川端康成 「破戒」 島崎藤村 「幼年期の終り」 アーサー・C・クラーク 「動物農場」 ジョージ・オーウェル 「1984年」 ジョージ・オーウェル 「件」 内田百閒 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 フ…
ハッカー (この本の著者、佐藤優さんの)友人が扱っている有力商品がハッカー対策技術だ。 「目の前であなたの会社や官庁のコンピューターに侵入してみせます」というのがセールスのコツだ。 どれだけ完璧に防御されている民間企業のコンピューターでも1時間…
8月は「戦争について語る月…」というイメージが私にはあります。 小説やエッセイから心に残った言葉たちを紹介させていただきます。 アメリカひじき 野坂昭如 羽田からの高速道路をつっぱしりながら、幾度となく「どうです、日本はかわったでしょう」誇りた…
ウソくさい演技をなくすには? アニメや映画の主人公は、どんな困難にぶつかっても、悩んだり苦しんだりしながら、最終的には勝利や成功を修めるパターンが多いです。 だけど現実の世界で、そういう人ってどのぐらいいるんでしょう 昨日のブログにも少し書い…
「マッチ売りの少女」野坂昭如 アニメ映画「火垂るの墓」で知られる野坂昭如さん原作の「マッチ売りの少女」は、こんな内容です。 つまり、こういうことです。 1.ネットなどに広がる「マッチ売りの少女、売春婦説」は都市伝説ではなく、ちゃんとした元ネタ…
マンガから入るという手もあるよ。 2012年にミュージカル映画にもなった、ヴィクトル・ユゴーの名作文学です。 本日のレッスンで生徒に薦めたところ、さっそく購入して「読んでみる」とのことでした。 なんか、うれしいです。 www1.odn.ne.jp
コロナ騒ぎでレッスンをお休みにして一か月以上になります。 いま進めているテレビ電話レッスンのテストもかねて、先日ひさびさに何人かの生徒とネットでお話しました。 最近なにしてるの ある生徒は「こんなときだからこそ本を読もう」と読んだ本を教えてく…
壁にぶつかったら 壁を乗り越える方法は1つじゃありません。 今回はそういったお話です。 読解力をUPするには、文学作品を読むと効果がある。【2020/02/15のブログ←<文字列をクリック>で詳しく紹介しています】 だけど難しくて内容がよく分からない…。 …
確定申告の季節になるとこの小説を思い出します。今年はコロナ騒ぎで〆切が一か月伸びましたね。 わが愛の税務署 筒井康隆 「しまった」と、おれは叫んだ。 読んでいた新聞をひっつかみ、すぐさま台所へかけつけ、妻にいった。「たいへんだ。えらいことを忘…
まんが、小説、その他から印象に残った言葉を紹介します。 目次 霊長類 南へ 岸和田博士の科学的愛情 バーニー・サンダース自伝 国会をみよう 外出自粛 伊集院光・深夜の馬鹿力 霊長類 南へ 「わしら、何でまた、こんな阿呆なことしとるねん」役人がぼそりと…
なんとこれ実話です。 陰悩録 「ひとりで、たのしんだりしては、いけないよ」 ママは、ときどき、ぼくに、そうゆいます。 でも、あれだけは、やめられません。 だって、あれは、とても、きもちがいい。 あんな、すばらしいことは、ほかにない。 ぼくのいえに…
はらわたが煮えくり返っている。 またもやブンガクのことで朝からとび出したきりの主人が夕方になってもまだ帰ってこないのである。 中学三年になる長女はさっき学校から帰ってきたが、すぐ自分の部屋に閉じこもってしまった。 店番をしてくれるでもなければ…
ケストナー作「飛ぶ教室」第三弾。いろんなものにアンテナを張って、アップデートを忘れずにというエピソードです。 「きみたちはこの『しゃれ』が気に入らないのかい」 「しゃれはちっとも悪くありません、校長先生。でも、ぼくの父の話によると、このしゃ…
きのうのブログの続きだよ。 「飛ぶ教室」は、1933年に出版されました。 この年、ヒトラーが政権をにぎったため、自由主義者で平和主義者であるケストナーは、彼の書いた小説や詩集を公衆のまえで焼かれ、ドイツで著作を発表することを禁止されました。 …
飛ぶ教室【ケストナー作】 私がお話するクリスマス物語には、ヨナタン・トロッツという、なかまの少年たちからヨーニーと呼ばれている少年が現れます。 この話の主人公ではありませんが、その身のうえは、少年の涙が小さいものではないことを示すにふさわし…
シェイクスピア喜劇「十二夜」を紹介します。 目次 哲学的問答 シェイクスピア「十二夜」概要 哲学者ソクラテスとの関連性 哲学的問答 道化 これはこれはお嬢さん、ご機嫌よろしゅう。 オリヴィア阿保(アホ)をあっちへ連れておゆき。 道化聞こえなかったのか…
「わかる」とは、予測できれば 大きな地震がいつ来るか「わかれば」災害において生きのびる機会を高める。 株の今後が「わかれば」経済活動において有利に行動できる。 彼・彼女の出方が「わかれば」恋愛や交渉事で有利になる。 投手の次のボールが「わかれ…
女生徒の視点 ワークショップに通ってくれている女生徒の意見を紹介します。 私は今まで文学作品に触れる機会がなかったので良い機会だと思い「ヴェニスの商人」について調べてみました。 その結果、3つの視点が分かりました。 1.反ユダヤ主義について 新…
三人姉妹を読み解く 声優は文学作品に慣れ親しんだほうが有利です。劇団の公演養成所でのレッスンオーディションの課題などなど ブレヒト大好きなわたしですが、今回はチェーホフ「三人姉妹」の一場面を日常と照らし合わせて読み解いてみたいと思います。 三…