2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧
妙な話 芥川龍之介 千枝子の夫は第一次世界大戦中、地中海方面へ派遣された将校でした。 千枝子は結婚後まだ半年もしないうちに夫と別れてしまい、一週間に一度は必ず来ていた夫の手紙もぱったり来なくなってしまったのです。 ちょうどその時分のこと、千枝…
昭和の少女漫画のイメージ おまえは橋の下でひろわれたんだヨ! きっと私は捨て子だったのよ。本当は王女様にちがいないわ。 昔なつかし少女漫画の王道パターンですが・・・「もしも美しいヒロインが捨て子だったら?」というお話が川端康成の「古都」です。…
ガリレオが観測した惑星は? ラジオを聴いていたら、こんなクイズが出題されました。 ガリレオ研究家を自称する私にしてみれば、「待ってました」みたいな問題です。 わたしの答えは「木星と土星」 ホントの答えは「土星」でした。 「え、なんで」と一瞬思い…
酒場の常連客が狂喜した理由を考える 「ロッキー (第1作) 」(1976年) の舞台となったフィラデルフィアの街には、画面のいたるところにゴミが散乱していました。 ゴミの収集は行政の仕事です。それが滞(とどこお)っているということは財源不足が考えられます…
ここ最近「シウさんのマンガ」にハマってます。 ネットで公開されている「シウさんのマンガ一覧」ツイコミ(仮)は、こちらです。すっごくいいよ。おすすめします。 twicomi.com www1.odn.ne.jp
今回のブログは、生徒とのZoomレッスンの会話から生まれました。 「日常を観察することで演技がうまくなる」と、よく云われます。どんなことに注意して観察したらいいのでしょう キーワードを持つ たとえば「キー(鍵)」 恋人ができたので合鍵がほしい。…
少女向けに書かれた川端康成の、心温まる作品を紹介します。 薔薇の幽霊 (昭和二年発表) 山あいの村に一軒だけある借家「薔薇(バラ)の家」には幽霊が出るんです。 でも悪い幽霊ではありません。 心優しい幽霊さんは、薔薇の家に住んでくれた人が気持ちよく暮…
「マハゴニー市の興亡」【ブレヒト作】と、コロナ禍の現在の状況がなんとなく似ているような気がするんです。 物語の中盤、お金さえあればなんでも夢がかなう町、マハゴニーに巨大な台風が近づいてきて、人びとは恐れおののきます。 台風を「コロナ」に置き…
川端康成「学校の花」は、可憐(かれん)で美しい旅芸人の少女、小夜子にほのかな恋心を抱く男の子のお話や、女の子どうしの友情や、血のつながらない母と子の愛と葛藤を描いた、少年少女向けの心温まる作品です。 学校の花 「この間、僕、役者の町廻(まちまわ…
時代の祝福 川端康成 篝火(かがりび)を見て古めかしい抒情詩を歌うようなことは、私達文学者の間では時代後れであるばかりではなく、時代の良心に背くものとされています。 篝火を見るよりも鵜(う)を見よであります。 けなげに早瀬へ潜って鮎(あゆ)を捕える…
時代の祝福 川端康成 ——私は先年の東京大地震の直ぐ後で浅草の小学校の屋上庭園へ登ってみたことがありました。 鉄筋コンクリイトの四階建でしたが、ちょうど私の傍(そば)に巡査が一人立っていて、まだぶすぶす煙が立っている見渡す限りの焼野ヶ原を見晴しな…
川端康成「Oasis of Death ロオド・ダンセニイ」に、第一次世界大戦ドイツ軍エースパイロット マンフレート・フォン・リヒトホーフェンについての記述がありました。 リヒトホーフェンは、ガンダムのシャアと同じように自分の搭乗する戦闘機を赤く染めてい…
ステラ・アドラーのメソッド演技「魂の演技レッスン22」より、印象に残った箇所を紹介させていただきます。 作品の中で俳優が行うことはすべて、アクションです。 演じること (アクティング) とは、アクション。つまり、何かを「する」「行う」ことです。…
聴覚は最期まで残る感覚である 最期まで耳は聞こえているんですね。 今回は、ホスピスで働く音楽療法士さんの心温まる「実話」を紹介します。 残された時間をどれだけ有意義に過ごせるか みなさんは、「ホスピス」という言葉をご存じでしょうか。末期がんな…
登場人物の気持ちを、はっきりと示さずに仄(ほの)めかすのが文学の特徴です。 だからこそ【誤読】読み間違いがおきるんです。 論文と小説は、文章の書き方が違う 化学や物理学の【論文】は「誰が読んでも答えはひとつ」になるよう文章を書かねばなりません。…
連続と継続(けいぞく)を分けて考えよう 連続して毎日練習しなくては・・・と思うとつらくなります。 「休んでもいい」と考えることで結果的に練習も長続きすると思いますよ。 休んでいいのが「継続」です。 前から行っていることをそのまま続けることが『継…
台風28号がやってきたとき、「ママと同い年だね」と4歳になる娘が幼稚園で話したそうです。 それを聞いて胸が痛みました。実は私は38歳で、さばを読んでいたのです。 「ごめんね、ママは本当は28歳じゃなかったの」と正直に打ち明けたところ、娘は・…
夜のさいころ 川端康成 気持ちを仄(ほの)めかすのが文学の特徴 察(さっ)してください。 恥ずかしくて口には出せません。だからお願いですから私の気持ちを察してください。 そんな乙女心を、どのように演技で表現するか。いろいろ考えながらお読みください。…
母の初恋 川端康成 彼女があっけなくほかの男と結婚してしまったわけは、結局、佐山が民子のからだをうばわなかったからだという原因に突きあたった。 佐山が珠(たま)のように大事にし過ぎていたものを、はたの男が土足で踏み砕いたまでのことである。娘の肉…