駒大苫小牧
駒大苫小牧がなぜ2年連続全国優勝、3年連続決勝進出できたのか。それは、あくなき向上心があるからだ。
香田元監督は亜細亜大や関東学院大などに出向いて勉強を怠らなかった。野球関係者には積極的に質問し、得られるものがないかを常に探していた。
「何かしかけてやれと思うんですよね。マンネリがすごく嫌なので、いろんなところで聞いたり、教えてもらったりして、使えるなと思ったらバーッと変えてみたり、
変えることで悪くなる怖さもありますけど、それは全く考えなかった。
それよりも(勝ったことで)負ける怖さのほうがありましたね。
優勝しても、去年は去年。またさらに上に行くために自分も頑張るから、お前たちも頑張れという感じでやってきたから、勝てたんだと思います」
現状維持は後退。監督は向上心を。
強制ではなくアドバイス
佐賀北 07年夏、全国制覇
百崎監督は技術面に関しては強制はしない。ヒントや選択肢を与えてあげるだけだ。
「『~しなさい』ではなく、『こういうのもあるよ』とアドバイスはします。でも、『先生からはこう言われたけど、自分はこっちがいい』というのならそれでもいいんです。
プロなんかでも、コーチが言ってることを無視すると、『あいつは言うことを聞かない』となりますよね。無視しても認められるのは、イチローみたいに能力があって、結果を出した場合だけ。結果が出ないと『ほら見ろ』となるじゃないですか。
でも僕は、本人が迷ったり、結論が出ないときに『~したらどう?』『~をやってみたらどう?』と言うのが指導者なのかなと思うんです」
百崎監督のように、生徒の指導には「強制ではなくアドバイス」が大切なんですね。日々勉強です。
花巻東 菊池雄星
花巻東 甲子園の大舞台で春準優勝、夏ベスト4
菊池雄星(西武→メジャーリーグ)が掃除を担当していたグラウンド脇のトイレも、いつもきれいに保たれていた。3年間のトイレ掃除を雄星はこうふりかえる。
「もちろんキツかったですし、やめたくなったこともありました。やっぱり、人の使ったトイレは汚いじゃないですか。
ただ、何でも貫くことが大事だと思ったので、それを続けたことによって得られたものは大きかったと思います。
人のために何かをすることによって、人の立場を考えられるようになれました。
誰かがトイレを汚く使ったりすれば自分は嫌な気持ちになります。
だからこそ、逆に自分はやらないようにしようとか、こういう大人にはなりたくないという気持ちになれる。精神的に成長できたのかなと思います」
最も人の嫌がるトイレ掃除を毎日続けることがどれだけ大変なことか。チームメイトたちはそれがわかっていた。
だからこそ、スーパースターの雄星が浮くことなく、むしろ一体となり、日本一のチームワークを生み出すことができたのだ。
日没
「あなたの書く小説には問題がある」として、主人公の小説家は召喚されてしまいます。
カフカの「審判」のような理不尽で怖い話です。
カフカの「審判」も読みましたが、「日没」のほうが、読みやすくて分かりやすいです。まあカフカは、原因と結果が結びつかない不条理劇ですから、簡単な小説ではないのは当然ですけど。。。
ネタバレしないように、本の内容とは違うことを書きますけど、
スリランカ人女性のウィシュマさんは、入管にこんなひどいことされていたのかな、なんて考えながら「日没」を読みました。
つまり「現実ではこんなことないだろう、架空だろ?」ということはありません。似たようなこと——もっとひどいこと——は、現実に日本でも起きているんですね。
桐生夏生さんの小説は初めて読みましたが、あっという間にスイスイ読めました。すごい小説です。おすすめします。
ジャンヌ・ダルクの名言
ギョーム・エームリ師はこうたずねた
——「フランスを救うのが神のご意志なら、兵士など用いなくともフランスは開放されるのではないか?」
ジャンヌは即座にキッパリ答えた
——「いいえ。神様が勝利をお与えになるのは、まず神様の御名によって兵士たちが戦うからなのです」
つまり≪天は自ら助くる者を助く≫ということである。
この答えを聞いたエームリ師は大変満足した様子だったそうだ。
引用
ジャンヌ・ダルク、誰?―聖少女の幻影を追って フィルムアート社