日没
「あなたの書く小説には問題がある」として、主人公の小説家は召喚されてしまいます。
カフカの「審判」のような理不尽で怖い話です。
カフカの「審判」も読みましたが、「日没」のほうが、読みやすくて分かりやすいです。まあカフカは、原因と結果が結びつかない不条理劇ですから、簡単な小説ではないのは当然ですけど。。。
ネタバレしないように、本の内容とは違うことを書きますけど、
スリランカ人女性のウィシュマさんは、入管にこんなひどいことされていたのかな、なんて考えながら「日没」を読みました。
つまり「現実ではこんなことないだろう、架空だろ?」ということはありません。似たようなこと——もっとひどいこと——は、現実に日本でも起きているんですね。
桐生夏生さんの小説は初めて読みましたが、あっという間にスイスイ読めました。すごい小説です。おすすめします。