企画立案
目次
あたりまえをうたがえ
幽霊に、人を呪い殺せる能力が本当にあるのなら、戦争で死んだ兵隊は生きているときよりさらに強力な戦闘能力をもつことになるな。
そこで一本アイデアが浮(う)かんだわ。
西暦2199年、宇宙の謎の星から幽霊軍団が地球へ攻(せ)めてくるの。圧倒的な敵の戦力と【幽星爆弾】の前に地球艦隊は壊滅状態となり人類絶滅まであと一年となってしまうのよ。
どっかで聞いた話だな。しかし現実では幽霊に相手を呪い殺す能力はないぞ。死んだ人間は生きている人間を殺せない。だから戦争では相手をたくさん殺すんだ。
それはあくまで地球の常識よ。宇宙は広いのよ。謎に満ち溢(あふ)れているのよ。あたりまえをうたがわなければ進歩はないわ。
それならどうやって幽霊を倒す。幽霊は最初(ハナ)から死んでるからいくら攻撃してもムダだぞ。
そこよ。地球人も絶滅はするものの幽霊になって宇宙の幽霊と対決し、おたがい死なないまま永遠に戦い続けることも考えたけど、あまりにも不毛だし…。
そんなとき頼りになるのは、やはり超古代文明の古文書というベタなアイデアね。
超古代文明は「こんなこともあろうかと」幽霊撃退の方法を碑文にのこしておいたことにするの。
その方法とは、
巫女さん軍団による呪文とありがた~いお札よ
巫女さんの呪文とお札の前には、さしもの幽霊も成仏すること間違いないわ。
この物語は、幽霊軍団と戦うために、「地球防衛・巫女さん戦隊養成所」に通う美少女たちの笑いあり涙ありの成長物語なのよ。
彼女たちがそろって巫女さん姿に変身するときの合言葉は「ハニーフラッシュ」みんな画面にくぎづけよ。
―――くだらん・・・。
シェイクスピア 十二夜<幽霊と戦場>
マライア
お嬢さまはきっとおまえを縛り首になさるわ。
道化
縛り首けっこう、この世で絞め殺されりゃあ天下無敵だ。
マライア
どういうこと?
道化
死んじまえばこわいものなしだろう、無敵じゃないか。
マライア
すてきなお答えねえ。天下無敵ってもともとどこで言われたのか知ってる?
道化
どこでしょう、マライア先生?
マライア
戦場よ。おまえも戦場に行ってただなんて阿呆面して言うんじゃないでしょうね。
道化
おお、神よ。知恵あるものには知恵を与えたまえ、能ある阿呆には阿呆の爪をふるわせたまえ。
参考文献