木内マジックと演技とドラえもんの関連性
木内マジックを演劇に応用!
甲子園大会で、優勝3回、準優勝2回の実績を誇る、常総学院高校・元野球部監督、木内幸男さん。
木内さんの作戦は「木内マジック」と呼ばれ、何をやってくるのかわからない、とライバル校の監督たちから恐れられました。
その戦略の一端が【朝日新聞ポッドキャスト】で公開されていますが、これ演劇に使えます。
「スクイズ」
スクイズとは、無死、または一死でランナーが3塁にいる場合、バントをして3塁ランナーをホームに迎え入れ1点を取る作戦である。
ところが木内さんの場合「スクイズ」のサインを出しても、打者はバントをしなくていいのだ。
スクイズとは、「3塁ランナーを生還させて1点を取る作戦」なので、結果的に1点が取れればバントにこだわる必要はないというのが木内さんの考えである。
つまりバントが苦手な打者にスクイズのサインが出たら、打者は苦手なバントをするのではなく、セカンド方向にゆるいゴロを転がして、3塁ランナーを生還させればいいのだ。
これは、ランナー1塁の「送りバント」も同じ。
ランナーが2塁に進み、結果的に送りバントと同じ形になるなら、バントにこだわる必要はまったくないのである。
「スクイズ」のサインが出たら「バント」と考えるのではなく、スクイズの本来の目的である「1点を取ること」さえできれば何をやってもいいよ、それが木内マジックの正体だったんですね。
スクイズといえばバント。他の方法は考えない。それが野球界の常識です。
だけど木内さんの考え方なら「たくさんの方法」を選択することができるんです。(もちろんバントをしてもOK)
その木内さんの合理的で柔軟な思考法を知らないライバル校の監督には「何をやってくるかわからない」「マジックにしか思えない…」ということだったんでしょうね。
「ドラえもん」の第一話、「大阪に行く方法はたくさんあるよ」と同じ考え方じゃな。
演劇に応用しよう。
「ヴェニスの商人」でも「ロミオとジュリエット」でも何でもいいんですが、「作品をしっかり読み解いて、本質的なテーマが観客に間違って伝わるようなメチャクチャなことさえしなければ、どんな演技の表現をしてもいいよ」になると思います。
木内マジック、すっごく斬新です。
参考