ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

櫻の樹の下には

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桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!

梶井基次郎

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公園の砂場には地雷が埋まっている!

ネコ型地雷

 

櫻の樹の下には  桜の森の満開の下

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桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている」で始まる、梶井基次郎の「櫻の樹の下には」は、インターネットの図書館 青空文庫 で誰でも【無料】で読めますよ。

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「人さらいに子どもをさらわれた母親が、桜の花の満開の下で狂い死にして花びらに埋まってしまう」坂口 安吾の「桜の森の満開の下も、青空文庫で無料で読めます。

 

桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子(だんご)をたべて浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。なぜ嘘かと申しますと、これは江戸時代からの話で、大昔は桜の花の下は怖(おそろ)しいと思っても、絶景だなどとは誰も思いませんでした。

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坂口 安吾桜の森の満開の下」これぞまさしくブンガクです。

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たしかに妖(あや)しい文学の魔力に満ちあふれた作品ですね。

 

こうして読み解け!

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昔話の特徴に【痛さは描写しない】という大原則がある。だから残酷な描写があっても昔話は怖く感じないんだ。【注】ただし近年改作された、やたら残酷性を強調した昔話はべつだぞ。

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実は、この作品もその法則を使っていると考えられる。

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桜の森の満開の下」に人を殺す場面はふんだんにあるが、「被害者があまりの痛みに転げまわって苦しんだ」みたいな描写はいっさいない。

また被害者の視点からの「殺される恐怖にふるえる、涙が止まらない」などという感情描写もまったくない。

そこが残酷さだけがウリの猟奇小説と、坂口安吾の文学性との違いだ。

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心の中の葛藤が、緻密(ちみつ)に描かれているのは、主人公の山賊だ。

反対に、女は「首遊び」をするが、なぜそんなことをするのか、なんで楽しいのか、まったくの謎だ。女の【心の闇】にはいっさいふれていない。

だから首遊びの場面は、残酷だが怖さはないし不快にもならない。

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そういう視点をもって読んでみろ。文学を読み解くとはそういうことだ。

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視点がふえると、見えるものがまったく変わってくるよ。 

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www1.odn.ne.jp

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