大女優物語
オードリー・ヘプバーン、マリリン・モンロー、エリザベス・テイラー。
三人の美女たちは揃って女優としての重大な危機に出会っている。それは「演技力」をめぐる問題だ。
三人の女優に共通するのは美人であることと、その演技力が讃えられることはめったになかったことだ。
彼女たちは、ほとんど「地」で演じていたかのように思われている。実際、それに近かったであろう。
だが、三人がそれぞれ「演技力」なるものと格闘したのも事実なのだ。
アメリカ映画界にはアカデミー賞という、きわめてわかりやすい作品評価基準がある。その主演女優賞は、映画女優としての頂点を意味する。
オードリー・ヘプバーンはハリウッド・デビュー作でいきなり主演女優賞を獲った幸運な人ではあるが、その後は何度もノミネートされながらも二度目の受賞はならなかった。
マリリン・モンローはロシアで生まれた演劇理論「スタニスラフスキー・システム」と出会い、それを実践しようと長年努力を重ねる。
しかし、彼女はアカデミー賞にノミネートすらされなかった。
最も理論的な演技を試みた彼女が、最も評価されなかったのである。
誰もがスクリーンに映るマリリンは、当人そのものだと思った。それほどまでに完璧な演技であったことが認識されるのは、彼女の死後である。
エリザベス・テイラーは演技なるものをまるで考えようとしない人だった。しかし作品に恵まれ、アカデミー賞には何度もノミネートされる。
そして二度にわたりいやいや出演した作品で受賞するという皮肉を味わう。
引用
大女優物語 新潮社
緊張打破
——初舞台——
初めて人前で演技を披露するときは緊張します。どうしたらいいか不安になります。
不安を払拭(ふっしょく)するには
今まで培(つちか)ってきたことを出す。
それしかないと思います。
それが稽古であり、稽古の重みなんだと思います。わたしも初舞台——卒業公演——の時は、とことん稽古をしました。
緊張しなくなるために稽古がある。練りに練った演技を稽古で積み重ねて本番に臨む。
稽古を重ねることで度胸がつき、自信がつけば、おのずと演技もうまくなると思いますよ。応援してます。
日本人は、どこから来たのか。
渡来人(とらいじん)が日本を占領した
縄文人は彫(ほ)りが深く、アクセントのついた顔立ちで、「私たち」と似ていない。
自然人類学が専門の埴原和郎(はにはらかずろう)先生は、現代日本人が縄文人よりも北部九州型の弥生人に似ていることから、コンピューターを使って、彼らがどの程度現在の日本人に影響を与えたかを調べた。
朝鮮半島と北部九州の間には、海がある。
毎年、少しずつ、舟で渡ってきたのだろう。彼らは、進んだ生活様式で、狩りと採集で暮らしていた縄文人を圧倒し、ついには日本列島を乗っ取ってしまった。
それは、いまから2500年ほど前から約1000年間に及ぶ長い期間のことだったろう、と埴原先生は推定している。
現代の私たちが、縄文人に似ていないのも当然ではないか。
引用
ヒトはどこからきたか 最新考古学の世界 朝日新聞社
日本人は侵略者の子孫・・・。ウルトラセブン「ノンマルトの使者」を思い起こさせますね。