童話の読み解きにチャレンジ!
グリム童話 読解にチャレンジ
こわがることをおぼえるために旅にでかけた男の話<KHM 4>
あるところに怖いもの知らずの男がいました。
「みんなはよく、ぞっとする!って言ってるけど、おれにはわからない。ああ、ぞっとしてみたいものだ」というのが、この若者の口ぐせでした。
「おまえにぴったりの仕事があるよ」
魔法のかかった城があって、そこで三晩、寝ずの番さえすれば、ぞっとするということがわかるよ。
お城には宝物がたくさんあって、化け物たちが見張りをしている。
これまでも大勢の人が入ったが、出てきた者は一人もいない。
若者はお城に出かけて行って寝ずの番をしました。
お城には本当に化け物がたくさんいて、いろんな悪さをしましたが若者は平気でした。
王さまはたいそう喜んで、お城の呪いを解いたご褒美に、若者はお姫さまと結婚することになりました。
若者はお姫様をそれはそれは可愛がって、なに不自由なく暮らしていましたが「ぞっとしてみたいものだ」という口ぐせは相変わらずでした。
しまいには、お姫様もこれをきくのがいやになって、若者が寝ているところに水のいっぱい入った手桶を、ざあっと男にぶっかけました。
若者は目をさまして「ぞっとするということが、これでよくわかったよ」と大声でいいました。
おしまい
このお話が全文掲載されている、グリム童話のサイト
https://www.grimmstories.com/ja/grimm_dowa/kowagaru_koto_o_oboeru_tame_ni_tabi_ni_deta_wakamono
これ、意味わかりますか?
答えは「挿絵画家アーサー・ラッカムの世界2」にありました。
「若者はお城の呪いをといた褒美に王女と結婚し、奥方のこわさを知ることができました」
世界で一番たいせつなものは?「うちの奥さんです」
世界で一番こわいものは?「うちの奥さんです」というジョークがあるが、つまりそういうお話なんじゃな。
幽霊や化け物よりも奥さんのほうが怖いです、というお話でした。
読み解きはむずかしいけど、わかると楽しいね。
著作権切れ アーサーラッカムの挿絵
参考文献
グリム童話 角川文庫
グリム童話集 岩波文庫
挿絵画家アーサー・ラッカムの世界2 新人物往来社
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