「チ。」と「ガリレイの生涯」
「チ。ー地球の運動についてー」は、天動説が主流となっている15世紀のヨーロッパを舞台にした漫画です。
ラジオを聴いていたら、この本が紹介されていたので読んでみようと〝図書館検索〟をしたところ・・・
どこの図書館にもない国会図書館にしかないだけどコロナ禍で入館者を抽選予約制とし、入館制限している国会図書館に行くのは正直ハードルが高い…。
ということで、スピリッツの試し読みサイトで第一話と第二話を読んでみました。
たったの2話しか読んでいないので、作品についてあーだこーだと偉そうに論評することは、さすがに避けたいと思います。
くわしい論評の代わりに
地動説と天動説をテーマにした作品と聞いて、演劇ファンなら誰でも思い浮かべる
を、紹介しておきます。タイトルがちょっと違いますが、どちらも同じ作品です。これは文句なしに傑作ですよ。
「ガリレイの生涯」の作者ブレヒトは、すでに完成した自分の作品に対しても、後に到達した自分の立場から批判訂正をし、次々に改作していった弁証法的な作家だったことで知られています。
岩波文庫版「ガリレイの生涯」では、初稿と最終稿でかなり異なっていることの〝比較〟ができるよう、文庫本の最後に十三場の初稿が再録されています。
光文社古典新訳文庫「ガリレオの生涯」には、ブレヒトの遺構「アインシュタインの生涯」の草稿が掲載されています。
さらに
績文堂出版「戯曲 ガリレオ―チャールズ・ロートンの協力による英語版」では、主役のガリレオを演じたチャールズ・ロートンの「ある役の組み立て」が載っています。
チャールズ・ロートンは『ヘンリー八世の私生活』(1933年)で、アカデミー主演男優賞を受賞した名優です。俳優(声優)ならば必読の内容ですよ。
因(ちな)みに「アメリカ版」と呼ばれる「戯曲ガリレオ」は第二稿です。
岩波文庫「ガリレイの生涯」と光文社「ガリレオの生涯」は最終稿である第三稿です。
「チ。ー地球の運動についてー」と「ガリレイ (ガリレオ) の生涯」の両方とも読んでみるといいと思います。それではまたね。