生命は宇宙からやってきた?
アニメの空想を科学的に大まじめに解説した本です。
宇宙汎種説【パンスペルミア仮説】
生命は宇宙で発生したとする仮説。
これが正しければ、宇宙は同種の生命にあふれ、宇宙人は皆兄弟となる。
地球上で生命がどのように発生したのかは諸説あり、まだ決着はついていません。
しかし、その1つとして、生命やその元となる物質は地球外から来たとする説があります。
これが宇宙汎種説(うちゅうはんしゅせつ)【パンスペルミア仮説】です。
地球には種々の生命が満ちあふれているのに、太陽系ですら他の天体で生命の痕跡は見つかっていません。このため生命の発生の場は地球上だとするのが今も主流です。
しかし、地上発生説の根拠の1つであるミラーの実験も疑問が持たれるようになっています。
原始地球の様子についての研究が進むと、実験当時の予想とは大気組成が大きく異なることがわかったからです。
しかも、暗黒星雲や赤色巨星の周囲を電波や赤外線で観測すると、事前の予想以上に複雑な分子があることがわかり、生命の起源となり得る物質は宇宙空間にも豊富にあるという証拠が集まりつつあります。
太陽系内では、探査機が持ち帰った彗星の尾の中の物質からタンパク質やDNAの構成要素であるアミノ酸も見つかっています。
これらの発見によって、当初は単純な発想から提唱されていた宇宙汎種説も証拠に裏付けられた説として支持する科学者が増えています。
1999年に打ち上げられ、ビルト第二彗星に接近した米国の探査機「スターダスト」は彗星の尾に含まれる塵(チリ)を2006年に地球へ持ち帰りました。
それを分析した結果、彗星の尾にはグリシンやε-アミノカプロン酸(イプシロンあみのかぷろんさん)、エタノールアミンなど種々の有機物を含んでいることがわかったのです。
とはいえ、宇宙空間でどこまで生命に近いといえる物質が作られるのかは、まだわかっていません。
宇宙空間で形成された有機物がそれを含んだ彗星ごと原始地球に落下し、それがきっかけで生命の誕生に繋がった。こんな折衷案の説もかなり説得力を持ちます。
この場合、生命誕生の条件が整っている惑星があれば、ほとんどどこでも同じようなアミノ酸で構成された生命が誕生する可能性大です。
ただし、その場合でも、異なる星に住む知的な宇宙人のDNAが完全に同じというのは考えにくいでしょう。
「宇宙戦艦ヤマト2199」でもビーメラ4の宇宙人は明らかに地球人とは異なった生き物でした。
ガミラス人と地球人とがDNAも同じというならば、何か理由が必要になるでしょうね。
宇宙汎種説【パンスペルミア仮説】は、本当に実在する仮説です。ネットで検索するとたくさんヒットします。
ただ現時点では、地球以外では生命の存在は確認されていません。ですが、この説が正しければ地球以外の惑星でも生物が見つかる日が来るかもしれません。それが私たちと同じようなヒューマノイドだったら楽しいですね。*1
参考文献
宇宙戦艦ヤマト2199でわかる天文学 誠文堂新光社
生徒が久しぶりに赤ちゃんを連れて来てくれたので、またまたスーパーボールで遊んだよ。
「きゃっきゃ、きゃっきゃ💛」と大はしゃぎしてくれて、こっちもすっごく楽しかったな。
あそこまで喜んでもらえると、スーパーボールをつくった人たちも大いに満足するでしょうね。
そんなこんなの楽しいレッスンでした。絵本の朗読とシェイクスピア風パロディ戯曲とオンディーヌをやりました。
また来週もよろしくね。
Voice actor laboratory 声優演技研究所
*1:1995年、太陽ではない恒星の周りを回っている惑星が史上初めて観測された。
「ペガサス座51番星b」
これは地球から約60光年のところに位置する恒星の周りを回っていた。
ただし、この惑星は生命が住める惑星ではなかった。残念ながら中心の星にあまりにも近すぎたのだ。
しかし、この発見を皮切りに、そうした別の世界が毎月のように見つかるようになって、現在では、生命が住める可能性を秘めた世界が6000個以上も検出されている。
そのうちの約2000個は、遠方の星の周りを回っている惑星であることが確認済みだ。
われわれの太陽系に属する金星や木星などの惑星と区別するために、こうした遠方の世界は「太陽系外惑星」と呼ばれている。
ちなみに確認済みの約2000個の太陽系外惑星のうち、十数個は、地球によく似た世界である可能性があり、そのうちの、2015年に存在が確認されたものを含む三つの惑星などは、驚くほど地球との共通点を持っている(2015年に見つかった惑星は「ケプラー442b」という)。
これらすべてが不毛の世界である可能性はもちろんある――が、生命を宿せるところである可能性もなくはない。
ともあれ、これまでに発見されている太陽系外惑星は、すべて天の川銀河の中のものだ。ほかの銀河にも惑星はあるかもしれないが、あるとしても遠すぎて、われわれの望遠鏡では見つけられない。たとえ何千億という数があってもだ。
たとえばアンドロメダ銀河などに、生命が満ちていてもまったくおかしくはない。
参考文献
138億年宇宙の旅 早川書房