前向きに反省!
たくさん視点をもつことでクヨクヨしなくなる
「あなたがケガをしても、わたしは痛くありません」というブラックジョークがあります。
他人の哀しみによりそって、痛みをわかちあえる人間になることが望ましいのは言うまでもありません。
その一方で、自分の失敗は「他人事」のように客観的に見つめることができれば、「うまくいかなかったのはなぜか、今後どうすればいいのか」と冷静に判断が下せます。
前向きに反省するためには、どれだけ自分から離れて、客観的にものごとを見つめられるようになるかがポイントです。
自分の視点しかないと「前向きな反省」ができません。
あんなことやらなきゃよかった、自分はダメだ、大バカ野郎だ・・・となってしまいます。
そんな「後ろ向きな反省」は考えるだけムダ。どんどん気持ちが落ち込むだけです。
やるのなら「前向きな反省」そのためには、失敗しても冷静でいられる、自分とは切り離した「他人の目線」を持ちましょう。
実践編
どうしたら他人の目線を手に入れられるか。
私の練習方法は
図書館で本を読む
だれでも最初は何もわかりません。ですからいきなり専門書を手にしても、内容を十分に理解することは困難です。
なので
ヤングアダルトコーナー【中学・高校生からわかる哲学、心理学など、多数】
まんがでわかる○○学
こういった本を入門書にして、もっと知りたいと思ったジャンルをレベルアップしていく方法をとっています。
くよくよしないで、いろんな考え方を手に入れたいなら、ヤングアダルトコーナーの「哲学」や「心理学」などから始めてみるといいと思いますよ。
もちろんこの他にもいろんな方法があると思います。
くよくよしないで、失敗を他人の視点で考えて「こうすればよかったんじゃないの?」と「自分にアドバイスできる自分」をめざしましょう。
演劇研究生<養成所の生徒のこと>の葛藤を描いた映画「Wの悲劇」【主演:薬師丸ひろ子】に「自分を冷静に見つめるもう一人の自分」という場面がありました。
スタニスラフスキーの著書「俳優修業」にも、これと同じ記述が載っています。*1
たくさんの視点を持つことは、声優として成長する方法でもあるんですね。
自分の気持ちを別の視点に分離させる一方で、台本に書かれた役の気持ちは「自分のこと」と同一視する…。「俳優修業」とは不思議なものだな。
因(ちな)みに、スタニスラフスキー著「俳優修業」は絶版本です。でも、図書館にありますよ。
Voice actor laboratory 声優演技研究所
*1:
「俳優修業」スタニスラフスキー著
第14章 内部の創造的状態
2
君のやらなければならないことは、こう問うことだ。
自分は芝居の特殊な箇所に対する自分の役の態度を確信しているか?
自分は役の行動を本当に感得しているか?
いろいろな想像のディテールを変更したり増補したりすべきであるか?
(・・・)
ある俳優が、その舞台における能力を完全に所有しているものと仮定したまえ。彼はその構成部分を持ち役から逸脱することなく完璧に解剖することが出来るほどである。
(・・・)
やがて些少の誤差が生じる。
ただちに俳優はどの部分が狂っているかと調査する。彼は過失を発見しそれを訂正する。
しかし、その間中、彼が自分を観察している間も、彼はやすやすと持ち役を演じ続けることが出来る。
サルヴィニが言っている。『俳優は舞台で生活し、泣き、笑い、しかも、その間中、彼は自分の涙や笑いを監視している。この二重の機能、この生活と演技との均衡、それがこの芸術をつくるものである』