ブレードランナーとギャラクティカ
合成記憶 (ニセモノの記憶)
「三人のテストの結果がどう出るかな?」とリック。
ガーランドはいった。「あのレッシュめ、お話にならんまぬけだ」
「自分の正体を知らない?」
「知るものか。疑念さえ持っていない。全然そんなことは考えてもいないんだ。われわれはおなじ宇宙船に乗り合わせて、火星からここへやってきた。レッシュはちがう。彼だけはもう一週間あとに残って、合成記憶の移植を受けてきたんだ」
リックはいった。「真相を知ったら、彼はどうするだろう?」
「彼はわたしを殺して自殺するかもしれん。ついでに、きみも殺すかもしれん。人間もアンドロイドも見さかいなく、かたっぱしから殺しにかかるかもしれん。合成記憶が埋めこまれているときには、そういうことも起りうると思う。アンドロイドが自分を人間と思いこんでいる場合には」
映画「ブレードランナー」の原作本「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の一場面です。
これを読んでいて「バトルスター・ギャラクティカ」に、まったく同じ場面があったことを思い出しました。
エピソード8 神が導くもの
「サイロン探知機」を作ることを依頼されたガイアス博士は、まず手始めにシャロンで試験を行いますが、「シャロンはサイロンである」という予想もしなかった結果に動揺しうろたえます。
目の前にいるシャロンに伝えるべきかどうか迷うガイアス博士に、ナンバー6はこう告げます。
「真実を明かすことで感謝されるか…それとも殺されるか。彼女、気づいてないようよ、自分は人間だと思いこんでいるみたい。真実を知ったらどんな反応を示すか見ものね。サイロンの意識が目覚めて秘密を暴露されないようあなたの首をへし折るかも」
追い詰められたガイアス博士はとんでもない行動に出ます。
「おめでとう人間だったよ。100%人間だ。きみはもうこれ以上ありえないってくらい人間らしい」
いやもう腹をかかえて笑いました。
このような【元ネタ問題】は、パクリとか盗作ではなく「オマージュ」だとわたしは考えています。
素晴らしい作品が最初にあって、それをヒントにもっといいものを作ることでいろんなことが進化し進歩する。とってもいいことだと思いますよ。