ワークショップ 声優演技研究所 diary

「なんで演技のレッスンをしてるんですか?」 見学者からの質問です。 かわいい声を練習するのが声優のワークショップと思っていたのかな。実技も知識もどっちも大切!いろんなことを知って演技に役立てましょう。話のネタ・雑学にも。💛

伝えることの大切さ【実話】

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自分の言いたいことを、しっかり相手に伝えられないと大変なことになってしまう・・・。

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そんなことを考えさせられた実話です。

 

「嘘みたいな本当の話」より

「頭のなかが真っ白になったんです」

そのおばさんの訴えだった。
夜間緊急外来は大量の患者でひしめきあっていた。
このくそ忙しいときにやっかいなおばさんが来たな、と思った。
それでも営業スマイルで丁寧に話を聞いた。

頭のなかが真っ白になったとおばさんは繰り返す。

てきぱきと診察をする。

異常なし。

そろそろいいだろうと「おうちで様子を見ましょうね」と席を立つそぶりをした。あなたも席を立つ時間ですよ、と僕は目で促した。

おばさんは納得いかない表情で席を立つ。
歩き出す。こつん。おばさんの左足が机に当たる。おばさんは気にも留めずに歩き続けようとする。

左足が当たる?

それは左半側無視の兆候。体の左半分の刺激が認識できなくなってしまう、大脳右半球の障害を示唆する。

急いで頭部CTをオーダーする。

右脳に脳出血

彼女の頭には確かに真っ白な出血像が映っていた。

「噓みたいな本当の話」 イースト・プレス社より

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残像に口紅を筒井康隆・著 は、言葉が少しずつ消えていく世界を描いたSF小説です。

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その作品では、言葉をあまり知らない人は、たくさん言葉を知っている人に比べて、相手に自分の気持ちを伝えることが困難になる、という状況が描かれています。

 

 「噓みたいな本当の話」と「残像に口紅を

 

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相手にきちんと気持ちを伝えるには【語彙の量】知っている言葉の数を増やすことが大切なのかな・・・一歩間違うと怖いことになっちゃうかも・・・なんて思いました。

参考文献

噓みたいな本当の話 イースト・プレス

残像に口紅を 中央公論社

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www1.odn.ne.jp

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